カクテルパーティー効果をマーケティングや恋愛に応用!効果がないケースを実例や論文も紹介
カクテルパーティー効果やカラーバス効果と呼ばれる心理効果がありますが、どのような内容なのでししょうか?
カクテルパーティー効果を広告、マーケティング、恋愛に応用するにはどうすれば良いのか?
カクテルパーティーの効果がないケースはどんな実例か?論文も紹介しながら詳しく解説します。
この記事を最後まで読んで頂ければ、カクテルパーティー効果をどうやってあなたが活用出来るのか?を具体的な事例を確認しながら理解を進めていただけますので、最後までお読み頂ければ幸いです。
もくじ
カクテルパーティー効果とは
心理学用語の一つで「カクテルパーティ効果」と呼ばれる効果がありますが、人はカクテルパーティのような大勢が出席する騒然とした中で、様々な人がバラバラに会話している中でも、自分に関連するキーワードに反応します。
この反応の事を、カクテルパーティ効果と呼びます。
カクテルパーティ効果は、「音声情報を無意識に選択して聞き取る」事で脳内で無意識的に起きると言われていますが、
- 自分に関係している事
- 自分が興味のある事
であれば、音声に限らず、視界に入ったり、五感で感じたすべての情報がカクテルパーティ効果のような効果を発揮しますが、特に視界に入った情報が気になる現象の事を「カラーバス効果」と呼びます。
RASとストコーマ
脳科学で使われる2つのワードで
- RAS
- ストコーマ
があります。
1つ目の「RAS」は、Reticular Activating Systemの略で、脳の機能の一つとして「自分にとって必要な情報だけを脳にインプットするフィルター」のような役割をします。
RASは、自分にとって都合の良い情報や重要な情報だけをインプットする事で、五感から入るあらゆる情報を遮断する事が出来ます。
人は、目から入る情報、耳から入る情報、感覚を通して得る情報など以外にも、無意識下であらゆる情報を取得していますが、それらすべての情報を受け取ると、大切な情報をインプットできないばかりか、脳は情報過多でパンクしてしまいます。
2つ目の「ストコーマ」ですが心理的盲点とも呼ばれ「見えているようで、まったく認識していない脳の状態」の事を言います。
人間は意識していない事以外は、入ってきているようで入っていないものです。
高級車を意識している時は、高級車ばかり目に止まり、世の中の大半が高級車のように感じる事がありますが、実は意識が高級車に向いただけで、総数が増えたわけでも無いのです。
このように、情報過多を防ぐ役割が「RAS」と、情報の抜け漏れを意識によって変える「ストコーマ」によって処理され、そしてカクテルパーティ効果として表面上に表れるという事になります。
カクテルパーティー効果に関する論文
このカラーバス効果は、1953年にイギリスの心理学者コリンチェリー氏によって提唱されたものです。
コリンチェリーは、被験者の左右の耳に同時に異なる音声を聴かせ、片方の耳にだけ注意を傾けるように指示する実験を行い、カクテルパーティ効果を裏付けました。
被験者は、片方の耳に集中する事で、意識を向けていない方の耳に入る音声が聞こえなくなり、人が意識を優先的に向けた情報に集中し、その他の情報を受け取らないように遮断するとしました。
逆に、意識を向けていない耳の音声に被験者の名前を混ぜたところ、被験者の意識がそちら側に向く事が分かり、人は自分の名前を呼ばれると無意識的に意識を振り向ける事が分かりました。
一方、アメリカでは、男女の被験者に15分間会話を通常どおりさせた場合と、15分間の会話中に複数回に渡り相手の名前を呼んだ場合と分けて実験を行いました。
結果的に、相手の名前を複数回呼ばれた方が、相手に対しての親しみや好意が高まった状態であったのです。
カクテルパーティ効果を体感する実験
実際に、あなたにもカクテルパーティ効果を体感頂くのに、下記の動画を使って実験を行ってみましょう。
実験の流れ
1 動画を再生し、途中で映像が静止状態になるまで、白いシャツを来たチームが、何回バスケットボールをパスするのか、数を数えましょう。
2 静止状態で、一時停止でストップし、数を答えましょう。
3 白いシャツを着たチームのパスした数は、●●回です。
4 この映像で他に気になった事は無いですか??
5 着ぐるみのクマがムーンウォークをしているのは見えましたか?
6 続きを再生してクマの姿を探してみてください。
カクテルパーティー効果を広告、マーケティングに応用した事例
カクテルパーティ効果を広告、マーケティング、営業といった、ビジネスに応用するにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは、2つのポイントをお伝えします。
ターゲットを明確にする
1つ目のポイントですが、「ターゲットを明確にする」ですが、商品やサービス名を連呼しても、残念ながら興味がない人には届きません。
カクテルパーティ効果を活用するためには、相手が興味を持つ状態まで持ってくる必要があるわけですが、「キャンペーン」、「限定」というワードは、自分ごと化していないので、あまり有効ではありません。
例えば、
「期間限定の特別キャンペーン中、限定100名様」
とした場合よりも、
「産後1年未満のママさん限定、特別キャンペーン中、限定100名様」
とした方が、よりターゲットが明確になり、商品やサービスの訴求がしやすくなります。
アンケートを取る場合でも、
「今アンケートをお願いしているのですが、ご協力いただけますでしょうか」
に一言加えて、
「今20代の方にアンケートをお願いしているのですが、ご協力いただけますでしょうか」
とした方が、アンケートの回収率が上がったという事例もあります。
相手の名前を意識的に入れる
2つ目のポイントは「相手の名前を意識的に入れる」ですが、カクテルパーティ効果は自分の名前を呼ばれると、強制的に意識が向きやすいという性質があります。
営業、商談、電話、メール、SNSなど、コミュニケーションの場面で相手の名前を意識的に入れてあげると、「自分に言われているような気がする」と意識されやすいです。
興味や関心事もカクテルパーティ効果が出やすいですが、それ以上に名前を呼ばれる効果は、大変高い効果を発揮しますので、是非とも広告やマーケティングに応用してみましょう。
カクテルパーティー効果を恋愛に応用した事例
カクテルパーティ効果が生まれる要因の一つに「相手の名前を複数回に渡って呼ぶ」事が挙げられます。
相手の名前や、相手が気になるキーワードを出す事で、相手の親近感や好意が上がるという点では、恋愛関係にも応用が可能です。
恋愛初期段階のカクテルパーティ効果の活用
恋愛に発展する初期段階、もしくはお付き合いしてすぐの段階では、相手に自分の事を意識してもらう事が大事です。
好意を持たれるというよりも、相手に存在感を示すという段階になりますので、記憶に残りやすい状態を創る事は重要な一歩です。
そこで、出会ってから相手の名前を頻繁に呼び、相手からもあなたの名前を呼ばれるような、そんな親密な関係づくりをスタートするようにしましょう。
ただし、相手との信頼関係がない中で馴れ馴れしくし過ぎるのは逆効果を生む可能性がありますので、連発しすぎたり、いきなり名前で呼ぶような行為は避けましょう。
そして、もう一つカクテルパーティ効果を使えるのが「相手が興味のある話題を出す」ことです。
カクテルパーティ効果は、ざわざわした空間でも、自分の名前だったり、興味のある話には、無意識に意識が向くものです。
最初の自己紹介の時など、相手の趣味や興味のある事を情報収集する事で、あなたの会話に自然に入りたくなるような状態を創る事も可能です。
カクテルパーティ効果とは まとめ
カクテルパーティ効果とは何から具体的な事例までご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
カクテルパーティ効果は、ある種コミュニケーションスキルの一環であって、ビジネスや恋愛に応用する事で、あなたとの関係性をより良いものに進化させる事が出来る心理効果です。
カクテルパーティ効果を上手く活用いただき、是非ともあなたの人生をより良いものにして頂ければと思いますし、本記事がそのお役に立てれば、大変光栄です。
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