孔子の代表書物「論語」から名言や格言となる言葉を集めました
一条真也さんの本「世界一わかりやすい「論語」の授業」はじめ、たくさんの孔子の言葉が詰まった論語は、現代の大人から子供まで親しまれています。
小学生からでも学べる論語の有名な言葉、名言、格言をまとめたり、おすすめの本を紹介していきます。
論語に書かれた言葉の数々から、人生をより豊かに、楽しく生きるヒントを手に入れましょう。
もくじ
論語の名言や格言【英語付き】
早速、論語の中から、特に筆者が気に入った言葉の数々をご紹介していきます。
論語の名言その1 努力
苗にして秀でざる者あるかな。秀でても実らざる者、有るかな。
優れた人物ではなく苗のまま花を咲かせたり実をつけたりできない人がいて、優れた人物であっても成果を得られない人もいるという意味です。
優れていてもそうでなくても、結果を残すためには必ず十分な努力をしなければなりません。
人間は誰もが苗です。大きく実るか綺麗に花開くかは、それぞれがどう生きていくかで異なります。
才能があるかどうかではなく、どれだけ努力し成長できるかで決まります。
論語の名言その2 渋沢 栄一
論語とそろばんは両立する。
論語は道徳、そろばんは「損得勘定」をそれぞれ意味します。
道徳心を守ることと利益を求めることはどちらかを選んでどちらかを犠牲にしなければならないと思うものです。
ただ、道徳と損得勘定を両立できるという孔子の教えがあり、その教えを渋沢栄一が説明しています。
目先の利益だけを優先させていても利益を長く維持し続けることはできません。
お客さんやビジネスパートナーの気持ちを考えて仕事をしなければ、その先の利益につながらないとも言えますね。
論語の名言その3 思いやり
未だ人に事ふること能はず、焉んぞ能く鬼に事へんと。未だ生を知らず、焉んぞ死を知らんと。
鬼や神よりも人、死よりも生を大切にすべきであるという意味です。
鬼や神等身近に存在を感じられないものではなく、一緒に生きている人間のために働かなくてはいけません。
まだ死んでもいないのに死ぬことや死んだ後のことを考えても仕方ありません。
今目の前にいる大切な人のために思いやりを持って、しっかり生きていきましょう。
論語の名言その4 小学生
己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。
「人にされたらいやなことは、人にしてはいけない」と小学生くらいの子どもの頃に教わりますね。
価値観が同じような友達とは、好きなもの嫌いなものや楽しいことやりたくないことと一致することが多いものです。
基本的に自分がいやなことは、周りのみんなにとってもいやなことだと思っていいのかもしれません。
ただ、大人になっていくと価値観が多様化していき、他人の好みを理解することは難しくなります。
自分基準ではなく相手目線で考えられると一番いいですね。
論語の名言その5 仁
仁:仁とは人のこと(「仁」と「人」は音が同じ)、人がいてこそ生まれた倫理意識で、基本的な意味は人を愛すること、人を思いやり、人を尊重すること。
仁こそが孔子の思想の核となるもので、人間として最高の行為を表す。
道徳を説く孔子にとって「仁」全ての思想の根底のあるものです。
人を愛し、思いやり、尊重する思想があってその先に物事があり、その土台の上で私たちは生活ができています。
他者を軽んじたり、利用したり、騙したりしていては、人間としてみなされないかもしれません。
全ての人々に差別なく愛を持って接することで、人として心豊かに穏やかに過ごせます。
憎い相手がいたり、挫折を味わったり、毎日がつまらないと感じる時は、人を思うことから始めましょう。
論語の名言その6 四字熟語
温故知新
「古きを訪ねて、新しきを知る」とよく聞きますね。
子どもの頃は歴史の勉強なんて役に立たないと思いがちですが、社会に出てみると歴史を学ぶことが現代を生きるヒントにつながると気づかされます。
おばあちゃんの知恵袋にも理にかなったものがたくさん詰まっていて驚かされますね。
年配者の話を聞き、自分たちの社会は何が起きて現状に至っているのか、意識してみましょう。見えてくるものが必ずあります。
論語の名言その7 60にして
六十にして耳順したがう。
60歳になってようやく他人の意見に耳を傾けられるようになるという意味です。
60歳というと定年退職する年齢なので少し遅い気がしますね。
それでも孔子が言うには、まだ60歳でも他人の意見を受け入れるまでで、それを実践することにはまだ年を取る必要があります。
60歳を過ぎた人こそ、頑なになっていて周囲の意見を聞き入れることは難しいように感じます。
できることなら若いうちから他人の話を聞き入れるようにしておきましょう。
論語の名言その8 過ち
過ちて改めず、これを過ちという。
間違いは誰にでもあります。ただ、間違いをしてしまった後の対応で人間としての真価が問われます。
自らの成長に繋げ、同じ過ちを二度と繰り返さないようにできれば、過ちも過ちではなくなります。
失敗は成功の基にさえなるので、何かに躓いたり失敗したりした時はチャンスだと思ってしっかり挽回しましょう。
論語の名言その9 四十にして 惑わず
四十にして惑わず。
40歳になって初めて自分の生き方に迷わなくなるという意味です。
現在の40歳と言えば、会社では中堅社員や管理職になっていたり、家庭では家族を養う大黒柱や家族を仕切る役割を担っていたりします。
40歳になるまでにたくさんの経験を積み、物事の道理や社会の仕組みがわかってくる頃でしょうか。
孔子曰く、40歳でようやく自らの意志で自らの進む道を歩める成人になります。
もちろん40年間をただ生きているだけではたどり着けない境地でもあります。
若いうちに、自らよく学び、よく行動することが大切ですね。
論語の名言その10 己
己達せんと欲して人を達せしむ。
自分の目的を達成したい時は、まず人の目的達成の為に手を貸すことから始めなさいという意味です。
自他の区別をせずに他人のことでも一生懸命取り組むと、後から助けてもらえる力も大きくなります。
そして長く信頼関係が続けられる仲間ができると目的がどんどんクリアできていきます。
友達でも同僚でも上司でも、周囲の人の役に立てる人間になれれば、人望が集まります。
先に恩を売っておこうと汚い考えを持たずに、優しく人に手を差し伸べられる人になりましょう。
論語の名言その11 家族
父母はただその疾をこれ憂う。
親が一番心配することは、子どもの病です。
元気に幸せに親よりも長生きすることが何よりも親孝行になります。
また、親が病気をしないように子どもが親の体を気遣うことが親孝行になるという説もあります。
季節の変わり目に体調を伺ったり、何気ない毎日でも声のトーンや顔色で様子を確かめたりできると、いい親子関係が築けそうですね。
外国では人に会うたびに毎回「How are you?」と声を掛けます。
日本では相手の様子から察知するしかありませんが、大切な相手なら自然と異変に気づきます。
論語の名言その12 教育
学びて思わざれば、すなわちくらし、思いて学ばざれば、すなわちあやうし。
学んでもその学びを自分の考えに落とし込まなければ身に着かず、自分で考えるだけで、学ばなければ視野の狭い偏った人間になってしまってよくない、という意味です。
広く本を読んで多くの知識を得たつもりになっても、その情報を自分の武器にして使いこなせなければ、もったいないですね。
また、人の意見も聞かず自分の見解だけで物事を進めていても、そのうち限界が来てしまいます。
学ぶ力も考える力もバランスよく持てるようにしましょう。
論語の名言その13 人間関係
その人を知らざれば、その友を見よ。
出会ったばかりの相手を知りたい時には、その人の友達に会ってみるというのが手っ取り早い方法です。
どんな友達がいるのか、友達かその人物について何と言っているのか、見聞きすることで人となりがわかってきます。
もちろん、自分自身についても確かめることができます。
時には自分の友達を思い出してみてください。
子どもの頃からの同級生でも職場の仲間でも、親しくしている人の顔やこれまでの思い出から自分の人生を肯定できるといいですね。
論語の名言その14 夢
甚だしいかな、わが衰えたるや。久しいかな、われまた夢に周公を見ず。
孔子は周公という人物を敬愛していましたが、年老いてしまって夢にさえ見ることもなくなってしまったと憂いています。
若いころは精力的に活動をして、寝ても覚めても政治や文化について忙しく考えるものです。
必死になっていると、現実で起きたことなのか夢で見たことなのかわからない時がありませんか。
ただ徐々に年齢を重ねると、慌ただしく過ごすこともなくなり、時代に取り残されたように流行りものは遠い存在になっていきます。
少し前まで自分が教えていた若い世代がいつの間にか自分の先を歩いているものです。
論語の名言その15 恋愛
巧言令色鮮し仁:言葉が巧みで外見を装うタイプの人間には、他者を愛する気持ちは少ないものだということ。
見た目がよくておしゃべりも上手な人は、自分の表面ばかりを取り繕っているだけで他者を愛する気持ちはなかなか持っていないものです。
人を愛する時に自分の身なりは関係ないはずで、人の気を惹くことができる自分に酔っているだけの可能性も高いです。
話が上手ということは真実を偽っているのかもしれません。
ありのままの人の良さを見抜けるようになりましょう。
また、自分自身をさらけ出した時に受け止めてくれる相手と出会えると幸せな恋愛ができます。
孔子や論語の名言や格言を学べる本
ここまで論語の名言や格言をまとめてきましたが、孔子や論語の言葉を効率よく学ぶ際に、まとまった書籍を読むのが一番早いです。
ここでは、論語を学べるおすすめの本をいくつかご紹介していきますので、もっと深く学びたいという方は参考にして頂ければ幸いです。
眠れなくなるほど面白い 図解 論語
図解入りで孔子の教えをまとめた一冊のため、論語を学びたいという方が、最初に読む本として人気です。
くまのプーさん 心が変わる「論語」
くまのプーさんの世界観とともに楽しめるをコンセプトに、子供から大人まで読みやすく、分かりやすく読めるのが特徴の本です。
イラストや漫画も入っていますが、論語は言葉の理解が難しかったりしますので、入門編としておすすめの一冊です。
よくわかる論語―やさしい現代語訳
全文がくだけた現代口語文に翻訳されていて、分かりやすい一冊になっています。
こども論語: 故きを温ねて新しきを知る (声に出して読みたい・こどもシリーズ)
声に出して読みたい・こどもシリーズで、孫子の兵法などもありますが、論語も出版されました。
齋藤孝さんの分かりやすい解説や、子供も親しみやすいイラストで、読みやすい一冊かと思います。