福沢諭吉の名言や格言集【英語付き】天は人の上に人を造らずの続きや名言の意味をまとめました
明治六大教育家の一人、慶應義塾大学、一橋大学、専修大学の創設に尽力した福沢諭吉の名言や格言とも言える言葉を集めています。
有名な言葉「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」はじめ、福澤心訓七則などの名言の意味など、解説を加えてご紹介していきます。
この記事を読み進めて頂くと、福沢諭吉の思想を学び、今自分に何が必要なのか?人生をより豊かに歩むためのヒントを得られる事でしょう。
もくじ
福沢諭吉のプロフィール
福沢諭吉は、1835年に大阪の福島区に下級藩士の次男として生まれます。
1854年に長崎へ遊学し、蘭学を学んでいますが、黒船来校による砲術の需要が高まったため、兄からの誘いを受け学んだとの事です。
その後、幕末に勝つ海舟に登用される事になった福沢諭吉は、23歳にして中津藩から江戸出府を命じられた事で、蘭学を教え始め、蘭学塾「一小家塾」が後の慶應義塾の基礎となっていると言われています。
しかし、1859年に日米修好通商条約により外国人居留地となった横浜に出掛けた際に、英語が使われており、オランダ語が全く通じない事に衝撃を受け、英語を独学で学び始めます。
1861年には、翻訳方として欧州各国の使節団に同行しますが、途中に香港で植民地主義、帝国主義を目の当たりにし、イギリス人が中国人を迫害している事に強い衝撃を受けます。
帰国後に、「西洋事情」などの著書を通して、啓蒙活動を開始し、幕府の改革を唱えたり、明治維新後も慶應義塾の運営と啓蒙活動に専念しています。
その後、専修学校や商法講習所、伝染病研究所の創設を行い、近世の教育に功績が讃えられ、明治六大教育家の一人と称され、一万円札の表面に肖像を採用されるようになっています。
福沢諭吉の名言や格言【英語付き】有名な言葉の意味を解説付きで紹介
明治の教育家、福沢諭吉の言葉は、数多く残されていて、有名な「学問のすすめ」や「福澤心訓」をはじめ、名言や格言がたくさんありますので、集めてみました。
福沢諭吉の名言その1 学問
学問の本趣意は、読書に非ず、精神の働きに在り。
英語 To study, it is important to know what to do.
学問は米をつきながらも出来るものなり。
英語 Learning can be done while learning rice.
学問は、読書するだけで良いものではありません。
自分自身が学んだ事は、他人の思想や世の中の常識になりますので、常識を打ち破ったり、自分自身の思想や価値観を創っていかなければ、真の学問とは言えないのではないでしょうか。
また、学問はどんな環境でも出来るもので、特別な人だけに与えられたものでは無いという事を、福沢諭吉は教えてくれています。
福沢諭吉の名言その2 独立自尊
社会共存の道は、人々自ら権利をまもり幸福を求むると同時に、他人の権利幸福を尊重し、いやしくもこれを侵すことなく、もって自他の独立自尊を傷つけざるにあり。
英語 The path of social coexistence is that people must protect their own rights and seek happiness, at the same time respect the happiness of others’ rights, and hurt their independence and self-esteem without damaging it.
福沢諭吉は、自分だけでなく社会と共存するために、他人の幸せも尊重する事、人は平等である事を思想のベースに持っています。
同時に、独立自尊の精神も説いており、他人の幸せを尊重する一方で、他人に依存しない、国に依存しない事も大事だと教えてくれています。
福沢諭吉の名言その3 ペン
ペンは剣よりも強し
英語 The pen is stronger than the sword
啓蒙活動に力を注いだ福沢諭吉は、ペンは暴力よりも影響力を持ち、思想、言論といった報道やメディアの力の強さを表しています。
福沢諭吉の名言その4 難き
難きを見て為さざるは、丈夫の志にあらず。
英語 It is not a strong desire to see the difficulty.
難しいと諦めてしまうような志は、もともと頑固なものではないですし、その程度のものであれば、志と呼ばないほうが良いと、福沢諭吉は意味しています。
福沢諭吉の名言その5 進まざる者
進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。
英語 Those who do not move forward always retreat, and those who do not move forward always advance.
たとえ、その道が茨の道と分かっていても、進むか進まないかを決めるのは本人次第です。
しかし、進まなければ結果を得る事もできなければ、成功する事もありません。
福沢諭吉の名言その6 恐るる者
独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人にへつらうものなり。
英語 Independence will always ask people, people who ask people will always fear people, people who fear people will always hurt people.
自分自身の価値観を持たない人は、他人の意見に左右されます。
人を頼る事はあっても、自分自身の信念はしっかりと持ち、人にへつらう事なく、平等な関係を築き上げましょう。
福沢諭吉の名言その7 空想
空想はすなわち実行の原案
英語 Fancy is a draft of execution
空想を描く事ははじまりです。
まずはみんな空想するもので、空想を実現しようとする人が実行者、改革者となっていくのです。
まずは、自由に空想するところからはじめましょう。
空想上には「失敗はありません」ので、自由に描くのがポイントかと思います。
福沢諭吉の名言その8 勇者
未だ試みずして、先ず疑うものは、勇者ではない。
英語 The first thing to doubt without trying is not a hero.
はじめてもないのに、最初から疑うのは問題です。
まずはやってみてから、自分自身で体験してみる事が大事です。
福沢諭吉の名言その9 賢人と愚人
賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとによって出来るものなり。
英語 The distinction between a wise man and a fool is made by learning and not learning.
学ぶか学ばないか、まずは学ぶだけでも大きなアドバンテージが生まれます。
学ばないという事は、すでに大きなロスをしている事を知りましょう。
学ぶ方法は、
- 目で見て盗む
- 経験しながら覚える
- 本を読む
- 弟子入りして学ぶ
どんな方法でもOKです、まずは自分から進んで学ぶという姿勢を持ちましょう。
福沢諭吉の名言その10 批判者
行為する者にとって、行為せざる者は最も過酷な批判者である。
英語 For those who act, those who do not act are the toughest critics.
実践しない周りの批判者は、外野なので無視して良いでしょう。
結局、結果を残すのは、実践している者であって、周囲は心配しているからこそ批判していると言っていますが、実は羨ましいだけ、嫉妬しているだけなのかもしれません。
福沢諭吉の名言その11 独立の本源
自ら労して自ら食うは、人生独立の本源なり。
英語 Working hard and eating yourself is the source of life’s independence.
自分で精神的にも、経済的にも独立する事は、人生の本質です。
人に人生を委ねるのではなく、自分自身の人生を、自分自身でうまく立ち回りましょう。
福沢諭吉の名言その12 自由
人は他人に迷惑を掛けない範囲で自由である。
英語 People are free as long as they do not bother others.
何事も許されるわけではなく、民主主義であって、他人とも共存している事を考えると、一定の範囲の不自由さがあるのは当然です。
特に、人様に迷惑をかけるような行為は許されるものではありませんので、不自由な中での自由を見出しましょう。
福沢諭吉の名言その13 韓国
約束は無効と覚悟せよ
英語 Be prepared that the promise is invalid
福沢諭吉は、著書「脱亜論」で、朝鮮を見限っていますが、その時に書かれていた文章の一部です。
当時から、すでに韓国の内情を見破っていた方の一言に、福沢諭吉の大局観が見て取れます。
福沢諭吉の名言その14 慶応
慶應義塾は単に一所の学塾として自から甘んずるを得ず。其目的は我日本国中に於ける気品の泉源、智徳の模範たらんことを期し、之を実際にしては居家、処世、立国の本旨を明にして、之を口に言ふのみにあらず、躬行実践、以て全社会の先導者たらんことを欲するものなり
英語
Keio University has no choice but to be a school in one place. Its purpose is to serve as an example of the source of dignity and wisdom in Japan, and in fact, it is clear that the purpose of residence, the world, and the nation is to be made clear, and the words are spoken to him. Without practicing, we want to be the leader of the whole society.
慶應義塾大学の目的と呼ばれる一文は、福沢諭吉本人が書いた文章です。
内容を要約すると、慶應義塾で学ぶ者は、
- 「「紳士」たれ、「淑女」たれ」
- 「気品の泉源、智徳の模範」となり、かつ「全社会の先導者」となれ。
という事を言いたかったのだと、解説されています。
福沢諭吉の名言その15 程度
物事は程度の問題である
英語 Things are a matter of degree
許されるかどうかは、物事のレベル次第という意味で、よく使われる言葉ですが、福沢諭吉がこの言葉そのものを使ったのかどうかの真偽はありますが・・
許されるレベルかどうか?は物事次第で決めれば良いという事でしょう。
福沢諭吉の名言その16 金
金銭は独立の基本なり、これを卑しむべからず。
英語 Money is the basis of independence, and don’t despise this.
お金を稼ぐ事は、何も卑しい事ではありません、経済的に独立するのに、お金を稼ぐのは当然の事です。
お金を稼げる自力を付けましょう。
福沢諭吉の名言その17 経済
事業で一番大切なのは、信用できる人物を得て取り締まりの手を省くという事にある。
英語 The most important thing in a business is to get a trustworthy person and avoid crackdowns.
経済を回すために、事業を成功させることは必須条件です。
事業を成功させたければ、まずは信用できる人物を得る事から始めましょう。
福沢諭吉の名言その18 政治
この人民ありてこの政府あり
英語 With this people with this government
日本政府を批判する前に、まずは我々自身の政治への関心の薄さ、国民性に問題があるという事を教えてくれている名言です。
政治は悪さ加減の選択である。
英語 Politics is a bad choice.
同じく、政治が悪いから、世の中の仕組みが変わらない、自分の生活が改善されないのではないという事です。
福沢諭吉は万人の幸せを願いますが、万人に平等に幸せをとは言っていません。
全て自分を出発点に考え、政治の責任とせず、自己責任で捉えると良いのでは無いでしょうか。
福沢諭吉の名言その19 世の中で
「世の中で一番みにくいことは、他人の生活をうらやむことです。」
「世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事をもつことである。」
「世の中で一番尊いことは、人のために奉仕し、決して恩にきせないことです。」
「世の中で一番美しいことは、すべての物に愛情をもつことです。」
人として一番良くないのは、「嫉妬」する事です。
人として立派な事は、「天職」に就く事です。
人として尊い行為は、人のために奉仕し、恩がましい事は行わない生き方です。
人として美しい行為は、すべてを愛するという気持ちです。
と、人としての在り方を教えてくれる、福沢諭吉の名言です。
福沢諭吉の名言その20 勉強
学問をするには、なすべきことを知ることが大事である。
学問は、ただ学ぶだけでは意味もないですし、面白くもありません。
まずは、何をなすべきか?自分がやりたい事を決め、そのために必要なピースを埋めるために勉強するのが良いでしょう。
福沢諭吉の名言が多い「学問のすすめ」
福沢諭吉と聞くと、「学問のすすめ」が有名ですが、有名ない書籍の中には名言や格言も多く眠っていますので、ここでは有名な一文を解説を加えながら紹介します。
福沢諭吉「学問のすすめ」の名言 天はの続き
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
福沢諭吉の学問のすすめの冒頭の文章ですが、実はこの続きがあり、原文では
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と言へり。」
となっているんです。
「と言へり。」
は付いただけで、何か違いがあるのか?ですが、実は大きな違いがありまして、「と言われている」と訳す事が出来ます。
つまり福沢諭吉は人には上も下もないと「言われている」と解釈する事になりますので、伝聞した形となります。
この文章が出来た原型は、アメリカの独立宣言の序文に
「すべての人間は、生まれながらにして平等である」
という言葉を意識しているものと言われていますが、学問のすすめで福沢諭吉が伝えているのは、実際の世の中には、
- 賢い人と愚かな人
- 貧しい人と富んだ人
- 身分の高い人と低い人
がいて、それぞれに雲泥の差があるので、自ら勉強をして、不平等を埋めるようにしなさいという事を言っているのです。
つまり、「自己啓発」を進めているという事ですね。
福沢諭吉「学問のすすめ」の名言 人の働き
「天は富貴を人に与えるのではなく、人の働きに与える」
さらに、福沢諭吉は「学問のすすめ」の中で、西洋のことわざを引用し、人は生まれながらにして貴賎や貧富の区別はないという事を説いてくれています。
しかし、勉強する者だけが社会的な地位が高く、豊かになる事が出来るとも言っています。
福沢諭吉が、生涯をかけて日本の教育に力を入れてきた理由が分かりますね。
福沢諭吉の名言では無い?「福澤心訓」
学問のすすめと並び、福沢諭吉の考えを知る事ができる7箇条にまとめられた教訓ですが、実際は作者不明の偽作であるとも言われています。
そのため、慶應義塾大学は、
「福澤心訓は、福澤先生の言葉ではない」と明確に否定していますが、有名な言葉なのでご紹介します。
一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
一、世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
一、世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。
一、世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
一、世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
一、世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。
一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。
福沢諭吉の名言を学べる本
次に、福沢諭吉の言葉を通して、より学びを深めたいという方に、おすすめしたい本をいくつかピックアップしました。
学問のすすめ
福沢諭吉と言えばこの本と言うほど人気の一冊です。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」という、有名な一文で始まり、万人の平等を主張し,学問を重んじ自由独立の精神を養う一冊です。
福翁百話
福沢諭吉が、来客相手に語った談話を、自分自身で綴った作品です。
自然科学、夫婦のあり方、政府と国民の関係、教育、環境衛生など、様々なカテゴリーを学べる一冊です。
福沢諭吉の名言や格言集【英語付き】まとめ
福沢諭吉は、勉強をする事は、自分自身の身を守り、精神的にも、経済的にも自立するために必要だという事や身分の差を埋めるために必要だという事を「学問のすすめ」を通して教えてくれています。
現代においても、学問のすすめの考えは全く同じで、勉強する事で新しい事を知り、今までの価値観から脱皮して、新しい価値観を想像する事が出来ます。
大人になってから、学生時代を振り返って、
「もっと勉強しておけば良かった・・」
と後悔する事って多いと思います。
私も、そのような一人ですが、それだけ学問の偉大さ、大切さに気づくのは、学生時代の時に気付けないのかもしれませんが、それはある意味仕方のない事です。
なぜ、学問が大切なのか?勉強しておくと得なのか?
を分からず、詰め込みだけの勉強をしていては、学ぶ楽しさは絶対に分からないと思います。
その点を知っている方や理解している方は、学生時代も無駄にせず勉強を頑張ってこられたのだと思いますが、大人になってからでも、いつでも学び直せるのも学問です。
是非とも、自分自身の可能性を拡げるために、日々勉強し、そして学んだことをアウトプットし、インプットの強化を図るようにしてみて下さい。
インプット、アウトプットが一年も続けば、人生も大きく変わっている事かと思いますので、共により良い人生へ変えるきっかけに、勉強というものを見直してみましょう。