キッチンカーのレンタル貸出料金の1ヶ月の相場は?営業許可はどうすれば良いの?
キッチンカーを製造せずにレンタルやリースで使うのはおすすめなのでしょうか?
キッチンカーのレンタル貸出の料金相場、営業許可や保険はどうなるのか?
レンタカーで気になるポイントをまとめました。
当記事を読んで頂いた上で、キッチンカーで事業を始めるにあたり、製造するべきかどうか?レンタルでも事業継続は可能かどうか?の参考にして頂ければ幸いです。
もくじ
キッチンカーの種類
まず最初に知っておきたいのが、キッチンカーは大きく分けると4種類に分ける事ができ、
- 軽トラック(バン)を改造したキッチンカー
- 牽引して使用するキッチントレーラー
- 宅急便車輌などクイックデリバリー車を改造して造ったキッチンカー
- トラックを改装して造ったパネルトラックタイプのキッチン
になります。
トラックには、1.5t(2.0t)、3tなど、大きさによって違いはありますが、キッチンカーの種類としては、上記の4タイプが有ります。
軽トラック(バン)を改造したキッチンカー
軽トラックを改造したタイプは、車内が狭いため、複数人でのオペレーションは難しいというデメリットがあります。
また、営業許可の申請にあたり、保健所の認可が下りるだけの備品を載せるスペースや積載量の問題もあります。
また、エンジンのパワー不足のため遠征には向かない車輌タイプです。
最近では、ワーゲン、ベンツバス、ベンツ4号、シトロエン、キャリイ、クイックなど、様々な車輌を使ってキッチンカーに改造する業者があります。
牽引して使用するキッチントレーラー
続いて、キッチントレーラータイプですが、見ての通り自走は出来ませんので、牽引車が必ず必要になります。
牽引車は、全長12m以下,重量750kg以下であれば免許不要ですが、それ以上の大型トレーラーとなると牽引免許が必要になってきます。
また、キッチントレーラー自体に電源を確保出来ないため、走行中にどうやって電源を確保するか?食材の保存状態を気にする必要がある車輌です。
宅急便車輌などクイックデリバリー車を改造して造ったキッチンカー
宅急便などの車輌をベースにしたクイックデリバリータイプですが、車輌自体が特殊なため、中古車市場に出回りにくい車輌と言えます。
そのため、車両自体の価格が上がりやすく、キッチンカー製造にあたり相場よりも高くなってしまう傾向があります。
トラックを改装して造ったパネルトラックタイプのキッチンカー
今、キッチンカー市場でスタンダードになりつつあるのが、2tトラックを改造して作られたパネルトラックタイプのキッチンカーです。
最近では、イベント出店を予定した3tウィングシリーズも登場し、コンテナハウスに代わる働きを見せている車輌もあります。
とは言え、普通免許で走行できる2tトラックの需要は高く、また運送会社から中古車輌が出る事も多いため、価格も安定しやすいメリットもあり、人気は底堅いと言えます。
キッチンカーをレンタルと言っても、それぞれのキッチンカーの特徴をしっかりと考えた上で、どんなイベントに出るのか?出店先のメニューや規模感を把握した上で取り組みしなければ、利益が上がりませんので、注意しましょう。
キッチンカーのレンタルの貸出料金の相場は?
続いて、キッチンカーのレンタル相場ですが、貸出先によってレンタル料金はマチマチですが、短期レンタルの費用は、30,000円~100,000円程度が多いです。
また、休日にイベント出店を想定したレンタル料金を付けるところもあり、平日と休日ではレンタル料金に大きな違いがあるという事も考えておきましょう。
逆に、長期間のレンタルの場合は、割引価格も用意されており、月額300,000円程度からで借りられるようなキッチンカーのレンタル会社もあります。
キッチンカーを製造もしくはレンタル、どちらがオトク?
キッチンカーのレンタル相場が分かったところで、結局のところ、キッチンカーを製造するのと、レンタルするのではどちらが良いの?
という素朴な疑問が沸いてきます。
キッチンカーを製造しようと思うと、2tトラックで車両本体、改造費、備品などの購入を込みにして350万前後はかかってきます。
カーローンで購入した場合は、毎月10万前後の支払いになるケースが多いです。
短期のレンタルで、イベントを単発で回ったり、キッチンカー事業に参入する前に試しで使ってみよう・・という方であれば、レンタル費用は無題にならないと思いますが・・
1年以上営業を考えている方であれば、レンタルするよりもカーローンを組んでキッチンカーを購入した方が、事業を継続しやすいのではないでしょうか。
実際、我々がキッチンカーで1ヶ月の収支シミュレーションを組んだところ、
月の売上 | 150万円 |
原価比率(30%) | 45万円 |
人件費率(25%) | 37.5万 |
場所代(20%) | 30万 |
駐車場、保険、雑費 | 5万円 |
営業利益 | 32.5万円 |
と想定しています。
上記をもしカーローンとして考えた場合は、月々10万円の支払いで済みますので、営業利益は22.5万円となりますが、仮にレンタル費用30万円と考えた場合は営業利益は2.5万と、事業としての収益はトントンと言ったところになります。
人件費で25%取れていると考え、ワンオペの個人事業主で開業するのであれば、150万の売上が見込めるのであれば、十分に採算は合うのかもしれません。
しかし、事業として捉えた場合、レンタルだと営業利益がほぼ出ない可能性があるという事、また売上100万前後となった場合は、赤字も覚悟しなければいけないという事も、念頭には置いておく必要があるのでは無いでしょうか。
キッチンカーをレンタルする場合の注意点
続いて、キッチンカーをもしレンタルで借りようと思う場合に、いくつか先に注意したい点を挙げておきます。
注意点としては、
- キッチンカーレンタルの標準装備とオプション
- 車輌搬出に伴う費用関連
- キッチンカーの名義について
- レンタル方式について
4つを挙げます。
キッチンカーレンタルの標準装備とオプション
1つ目のキッチンカーレンタルの基本パックですが、ホームページに記載されているレンタル代金で、どの範囲まで使えるのか?を必ず確認するようにしましょう。
車輌本体と車輌の中の常備施設品には何がついているのか?ラッピングやタペストリーなど使えるものはあるのか?を確認しておきましょう。
また、オプションに関しても、基本ベース以外どんな装備があるのか?また自身の出店にあたって何が必要なのか?は把握してオプションを追加する必要があります。
キッチンカーのベースと言っても、車輌によっては冷凍庫や冷蔵庫がついてないものもありますので、車輌を選んだ後に、何もついていない・・となって慌てることのないように、標準装備を確認しましょう。
- フライヤー
- ガスコンロ
- 鉄板
- 焼台
- 炊飯ジャー
- 冷蔵庫
- 冷凍庫
- かき氷機器
- 発電機
- ガスボンベ
- テント
- 机
- インカム
キッチンカー車輌搬出に伴う費用関連
2つ目に、レンタカーは基本的に出店場所まで業者が運ぶ事が前提となります。
キッチンカーを移動させるのに、駐車場やガソリン代は含まれませんので、車輌運搬費が別途見積もりされる可能性があります。
運搬料は、1日で10万というところもあるくらいですので、レンタル代と合わせると結構な費用がかかるという事は憶えておきましょう。
キッチンカーの名義について
3つ目に、キッチンカーの名義は個人でないかどうかは確認しておきましょう。
レンタルする際には、車検の名義変更を行う必要があり、時間がかかります。
最近は、個人でキッチンカーを所有しレンタルを行う人も増えてきているようですが、名義変更をしていないキッチンカーのレンタルは、法的にはグレーゾーンです。
通常、レンタカーの場合は車輌の名義を借り主に変える手続きを取りますが、個人の場合は名義変更を行わないという事になり、営業許可関係も所有者の名義のままとなります。
最悪、イベント出店時に保健所が立ち入り検査をした時に、営業停止になってしまう事もありますので、要注意です。
キッチンカーのレンタル方式について
4つ目のキッチンカーのレンタル方式についてですが、有償でレンタルを受ける場合は、道路交通法上気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。
キッチンカーをレンタルして営業するには、
- レンタル業者に営業場所までキッチンカーを運んでもらう必要がある。
- わナンバーのレンタカー登録されている車輌をレンタルする。
- 車検証の名義を自分名義に変更する。
必要がありますので、注意しましょう。
キッチンカーをレンタルする場合の営業許可について
キッチンカーのレンタルにおける営業許可についてですが、キッチンカーの営業許可自体は車輌で取れていますが、食品営業許可は自分で取得しにいく必要があります。
営業許可の種類ですが、
- 飲食店営業
- 喫茶店営業
- 菓子製造業
- 食料品販売業
- 乳類販売業
- 食肉販売業
- 魚介類販売業
を出店を予定している自治体へ申請する必要があります。
一言に営業許可と言っても、各自治体で分類そのものが違う事も多く、おなじ食品を扱っても、分類名が違って、許可が降りないという事もあります。
レンタカー業者を選ぶ際には、車輌の名義変更の手続きから、営業許可の申請までサポートをしてくれる業者を選ばなければ、レンタルする最大のメリットである
「出店可能になるまでの時間を短縮出来る」
というメリットを享受する事が出来ませんので、注意しましょう。
キッチンカーのレンタル貸出料金の1ヶ月の相場は?まとめ
移動販売業界は、今飲食店事業に変わる新たな可能性として、市場が成長していく可能性が高い業界ですが、法整備が進んでいないところもあり、レンタルに関してもグレーゾーンなところがあります。
また、キッチンカーのレンタル相場を考えた場合でも、短期、中期、長期のレンタルによって、料金はマチマチな現状です。
キッチンカーをこれから事業として取り組む際に、車の製造時間は2~3ヶ月はかかるとなる中で、今すぐにでも出店して利益を上げたい・・
という方には、レンタカーで営業して試してみるというのは良いかもしれませんが、腰を据えて事業を拡大していくという方は、早い段階からキッチンカーのレンタルから製造へシフトチェンジしていくべきでしょう。
ご自身の事業資金やキャッシュフローを見ながら、レンタルから製造へ切り替えていく。
そのための事業計画を立てていくという事も頭に入れておく必要があります。
可能性のある業界だからこそ、スタートダッシュに躓いてしまい、失敗する事のないように、最初の第一歩となるキッチンカーのレンタカー選びで失敗しないよう、当サイトの情報をお役立て頂ければ幸いです。