聞き上手になるには何が必要か|今日から変えられる4つの動作

聞き上手 なるには

「聞き上手になるにはどうすればいいのか」と検索する人の多くは、会話が続かない、相手が心を開いてくれない、という悩みを抱えています。

結論から言うと、聞き上手になるには話の内容を深く理解する力よりも、「ちゃんと受け取っていますよ」と相手に伝わる動作のほうが先です。

うなずく、座り直す、メモを取る、手を使う。この4つを意識するだけで、相手の話す量は変わります。

私はパン屋を2店舗運営していて、スタッフや取引先と毎日話しています。聞き方を変えてから、出てくる情報の量が変わったと感じている一人です。

この記事では、聞き上手になるには何を変えればよいのかを、特徴・練習方法・よくある誤解の順に整理します。

もくじ

聞き上手になるには、内容の理解より「受け取っている」と伝える動作が先

聞き上手 なるには

聞き上手になるには、まず「聞く」の意味を置き換える必要があります。

一般には、聞くとは相手の話の内容を理解することだとされています。ただ、会話の相手から見ると、こちらが理解できているかどうかは分かりません。

分かるのは、こちらの体が動いているかどうかだけです。

つまり、聞く力とは理解力ではなく、「受け取ってもらえているな」という感情を相手に渡す技術だといえます。

この考え方は、話し方の講師である鴨頭嘉人さんが動画の中で示していたもので、私自身も現場で当てはまると感じました。

相手から見えているのは、態度だけ

どれだけ真剣に聞いていても、無表情で相づちもなければ、相手には届きません。

逆に、内容の半分しか分かっていなくても、うなずきながら前のめりで聞いていれば、相手は「伝わっている」と感じます。

これは手抜きを勧める話ではありません。理解する努力と、理解しようとしている姿を見せる努力は別で、後者を怠ると話そのものが続かない、ということです。

話し手の力を引き出しているのは聞き手

講座でも、ライブでも、うなずく人が多い日ほど話し手の調子は上がります。逆に、誰も反応しない場では、話し手は言葉を減らしていきます。

店の現場でも同じことが起きます。スタッフが気づいたことを言ってくれるかどうかは、こちらの聞く態度で決まっています。

言ってくれないのではなく、言いにくい聞き方をしていた、という場面が私にもありました。

心の矢印を先に相手へ向ける

聞き上手になるには、順番が大切です。相手に関心を持ってもらってから聞くのではなく、先にこちらが矢印を向けるから、相手も向けてくれます。

営業の世界で、トップセールスほど自分が話す割合が少ないと言われるのも同じ理屈だと思います。

話す量ではなく、相手に話させた量で結果が決まっているということです。

聞き上手の特徴は、うなずき・相づち・表情が途切れないこと

聞き上手 特徴

聞き上手の特徴として真っ先に挙がるのは、反応が途切れないことです。うなずき、相づち、表情。この3つが動いている人のそばでは、話す側が安心して話し続けられます。

反応が「量」として伝わっている

聞き上手の特徴を観察すると、反応の質より量が多いことに気づきます。

大きくうなずく必要はなく、小刻みでも反応が続くことが安心につながります。

反対に、聞き上手ではない人の特徴は、沈黙して相手の顔だけを見ていることです。

本人は集中しているつもりでも、話し手からは「退屈させているのかもしれない」と見えます。

相手によって反応を変えている

もう一つの特徴が、相手に合わせて反応を変えていることです。年配の方にはゆっくり大きく、早口の人にはテンポよく。

同じ反応を全員に返している人は、聞き上手とは呼ばれにくいと感じます。

聞き上手か診断するなら、相手の話した量を見る

自分が聞き上手か診断したいなら、チェックリストより簡単な方法があります。

会話が終わったあとに、相手とどちらが多く話していたかを思い出すことです。

自分のほうが多かった日が続くなら、聞く側に回れていません。

私は面談のあとにこれを思い出すようにしていますが、忙しい時期ほど自分が話していることに気づきます。

聞き上手になる練習は、うなずく・座り直す・メモを取るの3つから

聞き上手 練習

聞き上手になる練習として、性格を変える必要はありません。体の動かし方を変えるだけなので、今日から始められます。

うなずく回数を、今の倍にする

最初の練習はうなずきです。自分では十分うなずいているつもりでも、相手からはほとんど見えていないことがあります。

首が疲れるくらいで、ようやく相手に伝わる量になります。

姿勢を変えて、興味を示す

次が姿勢です。興味のある話が出たときに、背もたれから体を起こす。これだけで「今の話は刺さりました」という合図になります。

この動作は演出でもあるため、やりすぎると不自然になります。

私は、話が具体的な数字や困りごとに入ったときだけ姿勢を変えるようにしています。

メモとペンを取り出す

3つ目がメモです。教える側から見ると、返事だけの人より、メモを取る人にもっと伝えたくなります。

逆に、立場が上の人がメモを取ると、話した側は「自分の意見が扱われた」と受け取ります。

相手の年代によって道具を変える配慮も必要です。年上の方が相手なら、スマートフォンではなく紙とペンのほうが伝わります。

同じ動作でも、相手によって受け取られ方が変わるからです。

スタッフの声を集める仕組みそのものを見直したい方は、店舗集客を立て直す、最初の4ステップもあわせて参考にしてください。

聞き上手の「さしすせそ」は便利だが、相づちだけでは浅く見える

聞き上手 さしすせそ

聞き上手になるには「さしすせそ」を使うとよい、という話を見かけます。

  1. さすがですね
  2. 知らなかったです
  3. すごいですね
  4. センスがいいですね
  5. そうなんですね

たしかに便利な言葉です。

定型の相づちは、続けると見抜かれる

ただ、この5つを機械的に繰り返すと、会話は浅くなります。どの話にも同じ言葉を返していると、聞いていないことのほうが際立ちます。

相づちは、話の中身に合わせて変えるから効きます。数字が出たら数字に反応する、

苦労の話が出たら手を止める。言葉を覚えるより、反応する場所を選ぶほうが大切だと考えています。

質問を1つだけ足す

相づちに質問を1つ足すと、会話は続きます。

「そうなんですね」で止めず、「それはいつからですか」と一段掘る。この一手間があるかどうかで、相手が話す量が変わります。

聞き上手は自分の話をしない人ではなく、相手の話を引き出せる人

聞き上手 話を引き出す

聞き上手は自分の話をしない、という説明をよく見ます。半分は正しいのですが、そのまま受け取ると、黙っているだけの人になってしまいます。

自分の話は、相手の話を呼び出すために使う

自分の話をまったくしないと、相手は判断材料を失います。

大切なのは、自分の話を短く出して、そこから相手に返すことです。

私の場合、スタッフとの面談で失敗談を先に短く話すようにしています。

こちらが失敗を出すと、相手も言いにくいことを出しやすくなります。自分の話を封じるのではなく、相手の話を引き出すために使うという位置づけです。

聞き上手が疲れる原因は、相手に合わせ続けて自分を出さないこと

聞き上手 疲れる

聞き上手が疲れる、という悩みもよく見かけます。人の話を聞けば聞くほど消耗して、人と会うのが億劫になるという状態です。

我慢比べになっていないか

疲れる原因の多くは、相手に合わせ続けて自分の考えを一切出さないことにあると思います。

聞く側に回るのは技術であって、我慢比べではありません。

相手の話をすべて肯定しようとすると、違和感を抱えたまま相づちを打つことになります。

それが続けば疲れます。区切りのいいところで自分の考えを短く返すほうが、会話としても健全です。

聞く時間を決めてしまう

もう一つの対策が、時間を決めることです。私はスタッフとの面談を、終わりの時間を先に伝えてから始めるようにしています。

終わりが見えていると、聞く側も話す側も集中できます。

だらだらと長く聞くことと、しっかり聞くことは違います。

短くても反応が返ってくる時間のほうが、相手の満足は高いと感じています。

それでも疲れる日がある

聞く力を使う日は、こちらの体調にも左右されます。疲れている日に無理に聞き役をすると、反応が雑になって逆効果です。

そういう日は、面談を翌日に回すこともあります。できない日があることを前提にしたほうが、結果として続きます。

聞いて集めた声を、実際の打ち手に落とすところでつまずく人は多いと思います。

集客の改善案を洗い出して優先順位をつける手順は、店舗集客、何から始める?72個の改善案から「今やるべき3つ」を決める実践メソッドにまとめています。

聞き上手は話し上手といわれる理由は、話す力を引き出しているから

聞き上手 なるには

聞き上手は話し上手、という言い方があります。

これは、聞ける人は話すのもうまい、という意味だけではありません。聞き手が話し手の力を引き出している、という関係の話でもあります。

話すのが苦手な人ほど、聞く側から始める

話すのが苦手だという人は、聞くのも苦手なことが多いと言われます。

相手の反応を見ていないので、どこで言葉が刺さったのかが分からないからです。

だとすれば、話し方の練習より先に、聞き方を変えるほうが近道になります。

相手の反応が読めるようになると、自分が話すときの言葉の選び方も変わっていきます。

店の現場で確かめたこと

私の店でLINEの登録者が増えたのは、広告ではなく店頭での声かけと店内のPOPでした。

声をかける側に立つと、お客様の反応がその場で返ってきます。

どの言い方が通じて、どの言い方が流されるのか。それが分かるのは、話した回数ではなく、相手の反応を見ていた回数だと思います。

お客様の声への向き合い方は、Google口コミ返信の例文|高評価・低評価別テンプレでも具体的に書いています。

一度離れた相手が戻る理由

リピーターが増える店は、話がうまい店ではなく、覚えていてくれる店です。

前回の会話を覚えていて、次に触れてくれる。それは結局、前回ちゃんと聞いていたということです。

再来店の仕組みそのものは、飲食店のリピーターを増やす方法|7つの仕組みにまとめています。

まとめ|聞き上手になるには、今日は動作を1つだけ変える

聞き上手 なるには

聞き上手になるには、才能も性格の改造も必要ありません。必要なのは、受け取っていることが伝わる動作です。

  • うなずく回数を、今の倍にする
  • 興味のある話が出たら、姿勢を変える
  • 大事な場面では、メモとペンを取り出す
  • 手を使って反応を表す

4つ同時に変えようとすると続きません。今日はうなずきだけ、次はメモだけというように、1つずつ足していくほうが身につきます。

聞き方を変えると、スタッフから上がってくる情報が変わり、判断に使える材料が増えます。

数字だけを見て判断していた頃の話は数字を見ない経営者だった頃の話に書きました。

集めた声をどう並べて、どれから手をつけるかで迷ったときは、店舗集客、何から始める?72個の改善案から「今やるべき3つ」を決める実践メソッドが判断の手順としてそのまま使えます。

少しでもお役に立てたら幸いです。