マーガレットサッチャーの名言や言葉、偉大な功績を持つ「鉄の女」の素顔に迫ってみました!
1979年にイギリス初の女性首相に就任した「マーガレットサッチャー」。
イギリス経済を立て直すため、信念を曲げない強い意志を持ち、様々な政策を実行に移した「鉄の女」とも呼ばれるサッチャー氏は、どんな人だったのでしょうか?
若い頃から首相になるまでの過程を、サッチャー氏の名言や言葉などで振り返り、サッチャー氏の偉大な功績を再確認してみましょう。
もくじ
マーガレットサッチャーはどんな人?
マーガレットサッチャーは、1925年にイングランド東部のリンカンシャーグランサムで生まれ、22歳の時には、オックスフォード大学で化学を学び卒業しています。
化学以外にも経済学にも興味を持ち、猛勉強をした事で、政治思想の基礎が出来たと伝えられています。
卒業後は、コロイド化学を専門にした研究者になりますが、28歳には弁護士資格を取得し、34歳では下院議員に初当選し、政治の世界へと入っていきます。
45歳の頃に教育科学相を務めた時に、厳しいイギリス財政の予算削減を行うために、学校の牛乳無償配給を廃止し、「ミルク泥棒」と非難される事もあります。
49歳に保守党党首の選挙に勝利を収め、この頃から「鉄の女」という言葉が広がり始めます。
サッチャー「鉄の女」と呼ばれた由来
1976年にソ連の軍事新聞「赤い星」の記事内で、サッチャーの事を「鉄の女」と批判した事が始まりで、サッチャーの保守的かつ強硬な性格を表すのにピッタリという事で、あらゆるメディアでも取り上げられました。
マーガレットサッチャーの半生を描いた映画
マーガレットサッチャーの半生は、監督フィリダ・ロイドの手によって映画化され、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」は大人気の映画となりました。
アカデミー賞では「主演女優賞」を、ゴールデングローブ賞では「最優秀主演女優賞」をメリル・ストリープさんが受賞する名作になりました。
映画では、鉄の女と呼ばれ続けた政治家としての顔だけでなく、妻として、母としての顔にも迫っており、孤独と苦悩の日々も垣間見る事が出来ます。
マーガレットサッチャー の理解者 夫デニス サッチャー
マーガレットサッチャーは、自伝の中で
「デニスがそばにいてくれなければ、11年以上も首相を務めることはできなかった」
と語るように、夫デニス氏は、マーガレットサッチャー最大の理解者でした。
デニス氏は、19世紀後半に塗料や防腐剤を作る会社「アトラス・プリザーヴァティヴズ」を父より継承し、イギリスの実業家として妻マーガレットを支えました。
マーガレットサッチャーの政策「サッチャリズム」
マーガレットサッチャーの功績に対する評価は二分されており、その政策は本人の名前の由来もあって「サッチャリズム」として、今日まで受け継がれています。
サッチャーが首相となった1979年は、第二次世界大戦後にイギリスが目指した「大きな政府」と呼ばれた、あらゆる企業の国営化が進んでいました。
「大きな政府」にした結果、非効率化が進み、結果的に西ドイツやフランスに後れを取るようになり、国内では労働組合によるストライキが起きるなど、混乱期にサッチャーは首相となっています。
マーガレットサッチャーの偉大な功績
サッチャーは、国営企業の民営化、財政赤字の削減、公共サービスの市場化など構造改革を断行し、鉄の女らしい手腕を発揮し、経済成長を軌道に乗せる反面、経済格差が開き評価が二分しました。
しかし、サッチャーの改革は1年、2年で終わるものでなく、覚悟を持って断行し10年にも及んだ事もあり、国民の理解はある程度得られていたというところに、彼女の偉大な功績や評価が見られます。
マーガレットサッチャーの名言や言葉
「鉄の女」とも呼ばれるマーガレットサッチャーは、様々な名言を残しています。
彼女の言葉は、とても強固な信念を感じるものが多いため、政治的な発言であっても、自分たちの人生に置き換える事も可能ですので、ピックアップしていきます。
私は意見の一致を求める政治家ではない。信念の政治家だ。
英語 I am not a politician seeking consensus. Belief politician.
政治はパフォーマンスやポピュリズムな側面を持っていますが、世論から意見を吸い上げるいわゆる「ボトムアップ型」ではスピード感に欠ける事も事実です。
信念を持ったブレないリーダーが必要な事もあり、サッチャーが信念を持ったリーダーだったという事が分かる名言ですね。
リーダーは好かれなくてもよい。しかし、尊敬されなくてはならない。
英語 The leader doesn’t have to be disliked.But you must be respected.
リーダーは覚悟を示す必要があります、好かれるためにリーダーとなるのであれば混乱を招くだけです。
リーダーは断固たる決意と覚悟を持ってさえいれば、その信念に人は集まり始めるという事をサッチャーが教えてくれる名言ですね。
意見の一致には危険が潜む。何についても特定の意見を持たない人々を満足させようと試みることになりかねない。
英語 There is danger in consensus.It can try to satisfy people who do not have a particular opinion about anything.
意見をまとめるのは大事とは思いますが、サッチャーは意見を持たない人に対して問題意識を持っているのでは?と思う名言です。
他人を批判するのであれば、まずは自分自身の意見を持たなければ、ただ批判をしているだけになってしまいますので、そうならないように、自分の意見を持つように考える癖をつけるのも良いかもしれませんね。
好かれようとしているだけなら、いつでも何でも妥協する用意があり、何も達成しないだろう。
英語 If you’re just trying to be liked, you’re always ready to compromise anything and you’ll never achieve anything.
リーダーに限らず、妥協は何も生み出しません。好かれる努力よりも、自分自身が覚悟を示し、周りを引き寄せる力を身に着けようという事を、サッチャーは教えてくれる名言です。
成功には素質も必要でしょう。しかし、それだけでは十分でないことを自覚し、目的を持って努力しなければ、成功は得られません。
英語 Success also requires talent.However, if you realize that it is not enough and work with purpose, you will not succeed.
なぜやるのか?を明確にしなければ、努力している方向が間違ってしまう事に気付かず、無駄な時間を過ごしてしまう事になりかねません。
多数に追随するな。自分自身で決断せよ。そして人々をも納得させ、リードしていけ。
英語 Do not follow many.Make your own decision.And convince people and lead them.
サッチャーらしい、自分の意志と覚悟を示す名言です。
リーダーとなる人は、周囲の人が納得するような引っ張る力を持っていなければなりません。
物事に反対するだけでは勝てない。物事に賛成し、自分のメッセージを完全に明確にすることによってのみ勝利できる。
英語 You can’t win just by opposed to things.You can only win by agreeing to things and completely clarifying your message.
政治も社会も同じです、否定する事では何も生まれません。
否定するのであれば、その対案を持ち、覚悟を示す必要があります。
世の中、批判する人が多い中、批判することがどれだけ軽率な行為なのか、しっかりと自分の意見を持つ大切さを教えてくれる名言です。
私たち政治家は、後戻りをしてはならない。立ち止まった姿を世間にさらすことも許されない。前に進んだ時こそ未来が約束される。
英語 We politicians must not turn back.It is not permissible to expose the public to a stopped appearance.When we move forward, the future is promised.
常に前しか見ない、サッチャーらしい名言です。
後戻りする事を考えるのではなく、とにかく前進し進歩している事を示し続けるという事は、本当に大変な事で、サッチャーは24時間365日ずっと首相としての役割を演じていた事が分かります。
お金は天から降ってこない。地上で稼ぎ出さねばならない。
英語 Pennies don’t fall from heaven, they have to be earned here on earth.
サッチャーは大衆から好まれる政策を取ったわけでなく、イギリスが再生するために必要な政策を取ってきたため、時には大衆の痛みを伴う事もありました。
しかし、サッチャーは国を愛し、国に依存するのではなく、額に汗を流しながら働く事の重要性を国民に説いてきました。
当たり前の事を言っていますが、指導者が先頭に立って身を切る想いで言葉を発していた事がわかる、サッチャーらしい名言です。
マーガレットサッチャーの名言や言葉、偉大な功績を持つ「鉄の女」の素顔 まとめ
マーガレットサッチャーの名言や言葉は、ほとんどが政治に関わる言葉ですが、その言葉一つ一つには覚悟と信念を感じました。
「英国病」と呼ばれた戦後のイギリスの改革を断行し、政策に賛否ある中でも、11年に渡って首相を続けられたのは、マーガレットサッチャーの「強い意志力」によるものです。
また、忘れてはならないのが、マーガレットサッチャーが長年に渡り政治家として全うすることが出来たのは、家族の深い愛があっての事です。
夫デニス氏と子どもたちの理解を得て、マーガレットサッチャーは「鉄の女」と揶揄されても、自らの信念を曲げなかったところから、我々の人生にも活かせる事はあるはずです。
マーガレットサッチャーの名言を通して、あなたの人生観や哲学観に少しでも刺激を与え、迷った時のヒントになれば幸いです。