政府が発表したAI戦略2019から読み解く令和時代のスモールビジネスのあり方
2019年6月、大阪でG20が開催されますが、少しずつ大阪でも開催の機運が高まってきています。
6月27日(木)~6月30日(日)までの間、大阪では交通規制が行われ、高速道路や大阪市内の一般道まで影響を受けます。
そんな大規模な世界的な会議の場で、日本は「AI戦略」を世界に向けて発信する予定になっています。
これから先日本が、そして世界がどのようにAIを取り込んでいくのか?を読み解くためのヒントになる政府発信の資料「AI戦略(有識者提案)及び人間中心のAI社会原則(案)について」を元に、例話の時代を生き抜く経営戦略を考えたいと思います。
なお、本件については、主にスモールビジネスに取り組んでいる方向けの内容となっております。
もちろん、中規模、大企業でも応用できる情報提供になるとは思いますが、会社の規模感やご自身の事業規模感に合わせて、参考にして頂ければとおもいます。
もくじ
スモールビジネスの定義
最初にスモールビジネスについて、ここで定義付けしておきます。
言葉の通り、スモールビジネスとは「小さな事業」という意味になりますので、大企業は該当しないという事になりますし、中規模の社員数が多い会社様も私の中では該当しません。
いわゆる
- 個人事業主
- 零細企業
といった方や中小企業の中でも従業員数が多くない方々、そして起業を考えている方まで、広い意味でスモールビジネスにあたると、私は考えています。
AIと聞くと、一番縁が遠い・・と思うのがスモールビジネス従事者かもしれませんが、実は大きな誤解でスモールビジネス従事者だからこそ、身の回りにAIが徐々に浸透している事実を受け止めるべきだと思います。
実際、ご自身の事で考えて頂ければと分かりやすいと思うのですが、下記のいずれかもしくは両方に当たっていませんか?
- ビジネスではAIを導入している意識はあまりない。
- 生活には徐々にAIが導入されている事を意識していない。
まず1つ目のAIをビジネスに導入しているかどうかですが、コンビニのPOSが変わったり、飲食店の仕入れが自動化されていたり、在庫や品質管理でAIが導入されている事もあるかもしれません。
また、スマホのアプリを使って、仕事を効率化している方がいたり、経理処理している方もいるかもしれません。
一方で生活には、スマホが普及し、PCだけでなく様々なIOTでネットと家電製品が繋がってきています。
特にスマホのアプリやゲームは、大きな進化を遂げていますし、検索エンジンやSNSの進化にはAIが深く関わっています。
つまり、自分たちがスマホやPCで検索している現状をネット社会として考えるのではなく、AIを活かした検索だと考えた方が良いという事なのです。
ネット検索からAIによる最適化の時代へ
実際に、Googleは日々行われる検索行動をAIに読み取らせ、またサイトを閲覧しているユーザーの情報を分析し検索順位を決定するアルゴリズムを導入していますし、YahooやGoogle、そしてFacebookの広告についても、AIが導入され広告配信の最適化が行われています。
上記はスポンサードサーチとYDN(Yahooディスプレイネットワーク)と呼ばれる、Yahooの広告配信モデルを図にしたものですが、この図で示しているのは、
- 潜在的なニーズ
- 顕在的なニーズ
の両方にアプローチ出来るという事を示しています。
フィリップ・コトラーさんが提唱する購買意思決定プロセスで有名な「AIDMAの法則」がありますが、以下の5段階のプロセスで消費者は購入意思を決めると定義されています。
- 注目(Attention) 製品やサービスの存在を知る段階。
- 興味(Interest) 製品やサービスに興味や関心を持つ段階。
- 欲求(Desire) 製品やサービスを欲しいと考え始める段階。
- 記憶(Memory) 製品やサービスを記憶する段階。
- 行動(Action) 製品やサービスを購入する段階。
といった5段階のレベルで言えば、それぞれのレベルのニーズに合わせて、広告配信を最適化する事が出来るのは、AIが進化しているからこそ出来る技術だと言えます。
簡単に言えば、Yahooで言えばYahooIDに登録された情報、GoogleであればGMAILに登録された情報、Facebookは個人情報の登録が原則。
とそれぞれ登録された個人情報を活用して、検索ユーザーと類似するユーザーのコンテンツへ広告を最適化して配信する事も可能です。
AI戦略2019
ここまで前置きが長くなりましたが、政府が提言するAI戦略を確認していく前に、現状がどうなっているのか?の把握と、AIをビジネスで活かす上で顧客心理とAIがどうマッチングする可能性があるか?を知って頂くのに、上記の説明をさせて頂きました。
そして、ここからは政府がG20で「AI戦略(有識者提案)及び人間中心のAI社会原則(案)について」を元にした提言から読み解く、AI戦略を活かしたスモールビジネスについて私見を述べたいと思います。
AI戦略の基本的な考え方
引用先 AI戦略(有識者提案)及び人間中心のAI社会原則(案)についてページ1
AI戦略において、日本では
- 人間尊重
- 多様性
- 持続可能
の3つの理念を掲げ、4つの戦略目標として
- 人財
- 産業競争力
- 技術体系
- 国際
を通して、具体的に
- 未来の基盤づくり
- 産業、社会の基盤づくり
- 倫理
に取り組むとなっています。
AI戦略の具体的な取り組み
未来の基盤づくりは主に教育改革と研究開発の分野で日本がAIを牽引していく事になります。
しかも、教育改革では全ての国民が活躍できるように、小中学校から大学、社会人に至るまでエキスパートを養成していく取り組みが用意されており、AI教育認定制度も整備されていく事になります。
次に、産業や社会の基盤づくりについてですが、産官学が連携し、IT人材の育成、確保が急務という事で様々な分野でAIが導入されはじめています。
例として挙がっているのが、
- 健康や医療分野 世界の医療AIハブの形成、AIデータの活用や医療分野におけるAIの導入に向けての医療関係職種の養成所、養成施設でのAI教育を実施する事など
- 農業 スマート農業技術の導入で生産から出荷までの一貫した研究開発や栽培プロセスの大規模データを解析する事など
- 国土強靭化 国内の重要インフラや老朽化したインフラの点検や診断をロボットやセンサーなどの技術で対応、構造物データや地盤データなどを集約、共有し、自治体と連携し、地図上に表示するインフラデータプラットフォームを構築する事など
- 交通や物流分野 AIターミナルの実現や事故ゼロ化に向けての自動運転の基盤構築、物流コストの最小化に向けたデータ基盤の構築、物流網のプラットフォームから得られるデータ活用を行うなど
- 地方創生 スマートシティの実現
など様々な分野でAIの導入に向けて、具体的な施策が動いています。
最後に、倫理に関する取り組みですが、「人間中心のAI社会原則案」に基づき、以下の7つの原則に従って、人間がAIを活用する事を検討しています。
- 人間中心の原則 あくまで人間の能力を拡張するためにAIは使われるべきもの
- 教育、リテラシーの原則 必要な教育の機会提供のためにAIは使われるべきもの
- プライバシー確保の原則 個人情報の適正な管理、利用、流通にAIは使われるべきもの
- セキュリティ確保の原則 リスク管理のためにAIは使われるべきもの
- 公平競争確保の原則 AIを使い資源に集中する事で、不公正な競争が起きないよう防止する事
- 公平性、説明責任、透明性の原則 公平性、透明性ある意思決定や説明責任のためにAIは利用されるべきもの
- イノベーションの原則 国際化、多様化する中の人材育成や研究のため産官学が連携し推進するためにAIは使われるべきもの
とされています。
AI戦略2019から見る令和時代のスモールビジネスモデルの構築
ここまで政府が提言するAI戦略の資料をもとに、中身を確認してきましたが、具体的に我々スモールビジネスにAI戦略をどうやって導入するのか?という事を考えたいと思います。
まず、ご自身の業種に近い分野に関しては、常に業界情報を確認する事は当然ですが、同時にAIを活用した自社のビジネスモデルに転化できないか??も確認してみてはいかがでしょうか。
AIを活用したフリーミアムモデル
一例として私が是非取り入れて頂きたいのが、集客をAIに代行してもらい、無料の商品やサービスを体験して頂いてから、有料のサービスへ移行するモデルです。
フリーミアム戦略で有名なものとしては、
- ドロップボックス
- チャットワーク
- ZOOM
- Evernote
- Amazon
など有名なものがありますが、いずれも無料プラン以上のサービスを求めて有料プランへの切り替えをする事で知られていますよね。
Amazonについては、Amazonプライムを利用している方が16%程度いるとの事ですから、全利用者数の16%からAmazonは月額有料サービスを受けている事になりますので、どれだけの収益になるか・・想像がつきますよね。
ここでポイントになるのが、
「AIには何をしてもらうか」
という事だと思います。
何もかもAI任せ、というわけにはいきませんので、AIには集客に特化して、商品やサービスに対してニーズがありそうな属性だけを集めてもらう。
そして、そのニーズがある見込み客に対して、我々がアプローチする。
という事です。
この「集客をAIに手伝ってもらう」
というところも、実はキーポイントになっていて、AIはディープランニングでどんどん学習をしていきますから、商品やサービスを欲する見込み客をどんどん学んで、同じ属性を集客するようになっていきます。
そのため、自分で頭を使って集客についてあれこれと悩む必要が無い。
という事で、集客後の見込み客のオファーについて一生懸命頭を使えば良いという事になります。
言い換えると、
繁盛店を作るための1つ目の集客という点で
- 注目させる
- 興味を持たせられる
この2つの属性に合う見込み客を集める事はAIにさせる。
そして、2つ目の商品やサービスの提供という点で
- 欲求を湧かす。
- 印象づけ、記憶に残す。
- 商品やサービスを購入する。
この3つは我々で喚起、行動させていく事になるという事です。
ここまでまとめて、スモールビジネスモデルの例を挙げると、
- ステップ1 フリーミアム戦略の採用。
- ステップ2 無料で提供できる商品やサービス(お試しも可)を導入する。
- ステップ3 有料の商品やサービス(バックエンド)を用意する。
- ステップ4 AIを使った集客の仕組みを使って、集客を半自動化する。
- ステップ5 集客した見込み客へ無料商品(サービス)を提供し、潜在ニーズをさらに深掘りしていく。
- ステップ6 バックエンドを紹介して利益化
という流れを使えるかと思います。
ステップ4のAIを使った集客の仕組みについては、もう少し詳しく説明をした方が良いかと思いますので、現在無料商材の準備を進めています。
準備が出来次第、またご案内させていただこうと思いますので、よろしくお願い致します。
令和時代のスモールビジネスのあり方 まとめ
いかがでしたでしょうか。
時は平成から令和へと移り変わった2019年5月。
だからと言って、特に世の中が劇的に変化したわけでは・・ありませんよね??
しかし、少しずつ、そして徐々に、いや大きく変化していく事は、政府がG20で提言しようとしているAI戦略2019を見ても明らかです。
それぞれのビジネスモデルに親しい情報を抑える事はもちろん大切になりますが、2020年東京オリンピックを控えた2019年、そして2020年は5Gへの移行も行われていき、劇的に変化するのでは無いか??と個人的には予測しています。
5Gの技術は、動画マーケティングをより進化させ、そしてAIがさらに有能に進化、IOTやウェアラブル端末の充実が見込まれるでしょう。
今から20年前の2000年ごろ、世界では「インターネット革命」が起きていて、アメリカと中国ではインターネットの可能性を見出し、大きな予算を投下していました。
その頃の日本はというと、残念ながらネットに対しては
「不信感」
がありましたよね?
例えば、
「誰がネットで買物するんんだ??」
「楽天市場?怪しいし、買わない」
と言っていたわけです。
また、Amazonも
「本しかない企業」
だったのが、今ではトイザらスを倒産に追い込んだように、おもちゃも充実し、そしてその他にも家電製品から日曜用品、健康、美容用品まで・・
様々な分野を独占していこうかという勢いに成長しています。
日本は、インターネット革命の時の過ちを再び起こす事のないように、今回のAI戦略にはアメリカや中国といった大国を押しのけて世界の覇権を取ろうとする動きすら見られます。
本気で大きく世界が変わろうとする今こそ、ビジネスチャンスは大きく埋もれています。
今の時代は、小さく、少資金でも起業する事も可能です。
また、従業員を雇わなくても、大企業以上の利益率の高い企業を生み出す事も可能になります。
その一助となる可能性の高いAI。
ぜひとも、ご自身の企業に導入できないか?また起業を志している方の場合は、AIを活かした起業を検討されることをオススメしてまとめとさせて頂きます。
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