レフ・トルストイの名言や格言【英語付き】戦争と平和や幸せな家庭などのロシア本の翻訳から紹介
レフ・トルストイの名言や格言をロシア語から英語と日本語に変換して紹介しています。
戦争と平和や幸せな家庭、人生論などの本はじめトルストイの言葉の数々をまとめましたので、人生迷う時の参考にして下さい。
もくじ
レフ・トルストイのプロフィール
1828年に帝政ロシアで生れたロシアの文豪、小説家であるレフ・トルストイは、フョードル、ドストエフスキー、イワン・ツルゲーネフと並び、ロシア文学を代表する一人です。
代表作である、
- 戦争と平和
- アンナ・カレーニナ
- 復活
では、文学を超えて、政治や社会に対しても影響を与える出版も行い、非暴力主義者としても有名です。
世界的にも名声を得たトルストイですが、1870年に入ると人生の無意味さに苦しみ、自殺を考える事も増えてきます。
しかし、自身の信条にもとづき、生活を簡素にし、農作業にも従事しはじめる事で、精神的な危機は乗り越えていき、1885年には「イワンのばか」など、民話風の大衆受けしやすい作品を描きます。
1890年代になると、ロシア飢饉で救済運動を展開し、世界各地から支援が届くほどの影響力を持ち始めるのですが、一方で政府側はトルストイを危険人物として攻撃するようになります。
1904年には日露戦争に対しても非暴力主義を貫き、その時に非暴力と不服従でイギリスからの独立運動を展開していたガンジーと文通する中でもありました。
1910年、長年妻との不仲であったトルストイは、ついに家出を敢行するも、鉄道で移動中に体調を崩し、1週間後に駅長官舎で肺炎が理由で死亡となりました。
レフ・トルストイの名言や格言【英語付き】
では、ここからはレフ・トルストイの名言や格言をまとめていきます。
トルストイの言葉を通して、人生に迷う時や何かヒントを得たいという時に参考にして頂ければ幸いです。
トルストイの人生論より名言その1 人のため
人生の唯一の意義は、人のために生きることである。
The sole meaning of life is to serve humanity.
自分のためだけに生きていては、ダメです。子どもの頃は、お母さんのために家のお手伝いをしたり、友達のためにお菓子を半分に分けたりしますね。
そして、大人になって社会に出てからは、もっと多くの人のために働き始めます。
自然と自分のために時間を費やすことはなくなってくるのではないでしょうか。
トルストイの人生論より名言その2 人間生活の法則
動物的自我の否定こそ人間生活の法則である。
The denial of animal ego is the law of human life.
本能で生きる動物と違って、理性を働かせることができるのが人間です。
自分の欲望のままにしか行動することができなければ、動物と同じです。
時にはやりたくない仕事も頑張ってみたり、欲しいものを買うのも我慢してみたり、人間らしく生活することで、社会に秩序が生まれます。
トルストイの人生論より名言その3 死
死の恐怖は解決されない生の矛盾の意識にすぎない。
The fear of death is just a consciousness of unresolved life contradiction.
死に対する恐怖。私たちが生きているからこそ、死を受け入れることは簡単ではありません。
生きている限り、生と死の矛盾が解けることはなく、死んだ後に生をどう感じるのか知ることはできません。
トルストイのアンナカレーニナより名言その1 不幸
すべての幸福な家庭は、よく似かよっているが、不幸な家庭はどれもが、それぞれの在り方で不幸である。
All happy families resemble one another; every unhappy family is unhappy in its own way.
幸せは一辺倒でつまらないもの。映画やドラマになるのは、波乱万丈な不幸なストーリーだったりしますね。
裕福な貴族の家庭に生まれたトルストイは、幼いころに家族との別れを経験し、不幸を味わって育ちました。
アンナカレーニナも不倫に走る女性の物語です。すべての人は、幸福な家庭と言う同じ目標に向けって、それぞれの不幸を乗り越えようと一生懸命に生きています。
トルストイのアンナカレーニナより名言その2 善
もし善が原因をもっていたとしたら、それはもう善ではない。もしそれが結果を持てば、やはり善とは言えない。だから、善は因果の連鎖の枠外にあるのだ。
When goodness had the cause, that won’t be goodness any more.If that has a result, it can’t be said as expected goodness. So goodness is outside the limits of a chain of cause and effect.
人に好かれようという意図や、周りに評価されて利益を得ようという根端がなく、何の見返りも発生しないのに、善を行うことはできますか。
とても難しいことのように感じます。無償の愛を持って、本当の善人になりたいですね。
トルストイの名言 教育
学問のある人とは、本を読んで多くのことを知っている人である。教養のある人とは、その時代に最も広がっている知識やマナーをすっかり心得ている人である。そして有徳の人とは、自分の人生の意義を理解している人である。
A learned person is the person who reads a book and learns about many things. An educated person is the person who knows the knowledge and the manners which spread most the time completely. And a virtuous person is the person who understands the significance of his life.
本を読んで知識を得る学問は、子どもでも取り掛かることができます。
ただ、マナーを心得る教養は大人になってようやく身につけられ、人生の意義を理解する有徳な人になれることは稀かもしれません。
まずは読書から始めましょう。
トルストイの名言 心
汝の心に教えよ、心に学ぶな。
It’s telling in your heart, don’t learn in a heart.
自分自身の気持ちに従うのではなく、神や仏、尊敬できる人の教えに従いなさいという意味です。
心に雑念が混ざっていたりしませんか。自分に甘くなり、正しい判断ができないこともありますよね。
わりやすい自らの心より、教科書に載っている言葉、聖書やお経から学びましょう。
トルストイの戦争と平和より名言その1 幸せ
幸せになりたいのなら、なりなさい。
If you want to be happy, be.
どうやって幸せになったらいいのか教えてほしいものです。
ただ、幸せとは何か、幸せになりたいと願うこと、幸せになる方法を考えること、そうしているうちに幸せに近づいていきます。
トルストイの戦争と平和より名言その2 何も知らない
我々が知りうる唯一のことは、我々は何も知らないということである。そしてこれが人間の知恵が飛翔しうる最高の高みなのだ。
We can know only that we know nothing. And that is the highest degree of human wisdom.
何も知らないという事を強みに、知らないからこそ少しでも勉強をし成長しようと思うのは、日々大切な事です。
コツコツと毎日積み上げるだけでも大きな違いになりますので、ちょっとずつ努力を重ねていきましょう。
トルストイの戦争と平和より名言その3 時間と忍耐力
あらゆる戦士の中で最も強いのがこれらの2つである – 時間と忍耐力。
The strongest of all warriors are these two – Time and Patience.
時間に勝てるものはありませんね。武力や知力を駆使して成しえても、長い時間をかければ風化されていきます。時間の経過には逆らえません。
さらに、時間を上手に使って戦うには、忍耐力も必要です。
トルストイの戦争と平和より名言その4 戦争
戦争というものは、最も卑しい罪科の多い連中が権カと名誉を奪い合う状態をいう。
A war is a situation in which the most humble criminals are competing for power.
戦争とは本当に不必要なものですね。権力と名誉を奪い合う争いのために命を落とす人がいるというのは、あってはならないことです。
戦争のない現在の日本で思うことは、決して戦争を起こしてはいけないということだけです。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その1 美女
美女が女神だと思うなんて、なんという奇妙な勘違いだろう。
What a strange illusion it is to suppose that beauty is goodness.
美人は美しいというだけで人々に好まれますね。
ただ、悪魔もまた美しい容姿をしていることがあります。見た目に騙されてはいけません。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その2 蝋燭
一生涯ひとりの異性を愛することは、一本の蝋燭が生涯燃えることと同じである。
To say that you can love one person all your life is just like saying that one candle will continue burning as long as you live.
ロマンチックな名言です。ろうそくを絶やすことなく燃やし続けること、1本だけのろうそくで満たされること、愛に例えると素敵なことですね。
人生の中で何度もろうそくに火をつけることはないかもしれませんが、一度燃やしたろうそくは大切にしましょう。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その3 芸術
芸術は技芸ではなく、それは、芸術家が体験した感情の伝達である。
Art is not a handicraft, it is the transmission of feeling the artist has experienced.
技術や芸を磨くことは大前提ですが、芸術家には何よりも感性が必要です。
感情がこもっていなければ、人々に共感や感動を与えることはできません。芸術鑑賞している時、私たちは自然に作者の感情を汲みとっているのです。
また、技芸が優れていても感情が読み取れなくては、芸術としての価値はないとも言えます。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その4 時
流れ進むのはわれわれであって、時ではない。
It’s called off to advance and is we and isn’t time.
時が止まることはないと思います。
ただ、早く進むことも遅く進むこともありません。常に一定の速度だからこそ、進んでいないのと同じとも考えられます。
私たち人間は進んだり立ち止まったり走りだしたりしますね。流れさまよっているのは生きている私たちです。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その5 健康
額に汗して営々と働かなければ、健康な肉体はあり得ない。また健康な思想も頭脳に沸き得ない。
When not working hard by the sweat of the brow, the healthy body is impossible. A healthy thought can also be excited about the brain, and I don’t have that.
体と心は連動します。病気やケガをしていると人は弱気になり、心まで病んで元気がなくなってしまうことがあります。
逆のことも言えて、気持ちが落ち込んでいると、体まで不調が出てきます。また、汗を流して毒素を吐き出すことは、心身の健康に欠かせません。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その6 偉大
自分をその人より優れているとも、偉大であるとも思わないこと。また、その人を自分より優れているとも、偉大であるとも思わないこと。そうした時、人と生きるのがたやすくなる。
When it’s more excellent than the person, when it’s great, don’t think of yourself. When it’s more excellent than itself, when it’s great, don’t think of the person. It becomes easy that I live with a person at such time.
最近では、相手より自分の方が優位な立場だと暗に示すことを「マウントを取る」と言いますね。
特に女性同士では、マウントの取り合いが壮絶に繰り広げられていることがあります。
とても生きづらい社会です。同じ生身の人間なのだから、優劣なんて考えずに、良好な人間関係が築きましょう。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その7 愛する
深く愛することのできる者のみが、また大きな苦痛をも味わうことができるのだ。
Only the person who can love deeply can also taste big pain again.
愛すれば愛するほど、失った悲しみや裏切られた傷は大きくなります。
失恋をした後すぐに立ち直れない時は、それだけ相手を愛していたという証拠。
人を心から愛することができる自分を誇りに思いましょう。愛を教えてくれたことに感謝しましょう。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その8 悪
悪に対して悪をもって報いることは、幸福を失うことである。悪に対して愛をもって報いることは、幸福を得ることである。
The ruler which measures greatness of the man there has how long you’re rendering service for friend’s prosperity.
悪を憎んでばかりいては、徳はありません。
気に食わない相手にこそ、愛想よく、笑顔で接してみましょう。きっと幸福が廻ってきます。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その9 餓死
餓死する者はめったにいない。うまいものを食べすぎ、そして働かないために病死する人のほうがはるかに多い。
There is rarely a person who starves to death. There are to people who die because and overeating doesn’t do anything good.
現在、生活習慣病で亡くなる人は増え続けていますが、反対に餓死する人は私たちの身近にはいませんね。
生活をよりよくするために、科学技術が進歩し、物があふれる世の中になりました。
ただ、命の危険は新たな形で脅かされるようになり本末転倒です。
便利な現代だからこそ、生活を見直しましょう。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その10 お金
金のないのは悲しいことだ。だが、あり余っているのはその二倍も悲しいことだ。
It’s a regrettable thing that I have no money. But it’s that the two times is also regrettable to be enough.
お金が有り余るという状況は、一般庶民には想像できません。
財産は多ければ多いほど豊かな気持ちにしてくれると思ってしまいます。
実際に使いきれない程のお金がある人には、お金目当ての人が集まってきたり、贅沢をしつくしてやることがなくなったりします。
本当に大切なものはお金では買えないので、心が満たされることなく悲しみだけが大きくなります。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その11 死
死への準備をするということは、良い人生を送るということである。良い人生ほど、死への恐怖は少なく、安らかな死を迎える。崇高なる行いをやり抜いた人には、もはや死は無いのである。
It’s said that they send a good life to do preparations to death. There is little fear to death a good life, and I approach peaceful death. The person who has got over noble conduct has no death already.
人生を謳歌した人は、思い残すことなく死を迎えられます。
自分で気が付かないうちに亡くなっているなんて、素晴らしい生き様ですね。
どのように死ぬのかは、どのように生きたのか。死の準備は生まれた瞬間から始まっています。ぜひ、いい死に方をしましょう。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その12 前進
悔恨がないのは、前進がないからである。
It’s because there are no advances, that there is no regret.
何かを実行したら、結果を振り返って反省しなければ、また同じことを繰り返すだけです。
毎日成長のない日々を送るだけでいいのなら別ですが、精進しましょう。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その13 強い人
強い人々は、いつも気取らない。
Strong people never put on airs.
本当の強さを持っている人は、気取ったり、おごり高ぶったりしませんね。
心に余裕があるので、相手にどう思われるかは気にせず、いつも穏やかにいられます。
反対に自分の弱さを隠そうと強がっている人は、肩肘張って、威張ってしまいます。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その14 分数
人間の真価は分数のようなものだ。分母は自己の評価、分子は他人による評価である。分母が大きくなるほど、結局、真価は小さくなる。
The real value of the man is the one like a fraction. The denominator is own evaluation, and a molecule is the value by the others. After all, the real value will be so small that the denominator becomes big.
自己評価よりも他者からの評価を気にしたいものです。
自薦でリーダーシップを発揮する事も経験にはなりますが、他薦されて周囲を引っ張る力を身につける事で、あなた自身の真価を発揮する事が出来るはずです。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その15 戦い
戦いにおいて最も重要なことは、最後の勝負に勝つことである。
The most important thing is to win the last game in a war.
終わりよければすべてよし。野球でも9回ウラに逆転すれば、途中経過がどうであれ、勝利を収めることができます。
人生でも同じことが言えますね。負けてばかりでも諦めずに挑戦し続けていれば、勝つ時がくるかもしれません。
亡くなる時に笑顔でいられれば、その人生は大勝利です。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その16 孤独
孤独なとき、人間はまことの自分自身を感じる。
When being lonely, man feels true himself.
孤独なとき、そこにいるのは自分だけなので、嫌でも自分を見つめなおすことになります。
恋人と別れた女性が自分磨きに走るのは、そのためでしょう。
トルストイのイワンの馬鹿より名言その17 現在
過去も未来も存在せず、あるのは現在と言う瞬間だけだ。
It’s only the moment I say present, that the past and the future don’t exist and are here.
今存在しているのは、今この瞬間だけ。1分前でも1分後でもありません。
今この瞬間を大切にした先に、あなたの望む未来を手に入れる事が出来るのです。
レフ・トルストイの名言や格言が読める本
続いて、レフ・トルストイの名言や格言が読めるおすすめの本をいくつかご紹介します。
トルストイの思想をもう少し深く学びたいという方は、手にとって読んで頂ければ、理解も深まるのでは無いでしょうか。
トルストイ晩年の作品が5つ収録された短編集です。
素朴な人間の善意に対して、確かな信頼が息づいている名作の数々です。
個我と彼我の関係や本能と理想に関してなど、人間がどうすれば幸せに歩む事が出来るか、トルストイの人生観を垣間見る事ができる作品です。
人のあり方と人生の意義を問う「人は何によって生きるのか」をテーマに、漫画でわかりやすくトルストイの思想を伝えてくれる一冊です。
新型コロナウイルスが流行し、ウィズコロナ、アフターコロナに人としてどんな思想を持っているのが良いのか?を学びましょう。