初頭効果という心理学をマーケティングに応用!親近効果やハロー効果との違いは何?
初頭効果、ハロー効果、親近効果はすべて人の第一印象に関わる心理学用語です。
ビジネス、恋愛、コミュニケーションに応用が可能な事からも、マーケティングを学ぶ上でも欠かせない初頭効果について、論文や事例を挙げながらまとめてみました。
この記事を最後までお読みいただく事で、初頭効果、ハロー効果、親近効果それぞれの違いについて理解するだけでなく、具体的な事例を通して、あなたのビジネス、人間関係にも応用が可能です。
上手く、初頭効果を活かして、あなたの文章や印象を良く見せるにはどうすれば良いか?のヒントにしていただければ幸いです。
もくじ
初頭効果とは
「初頭効果」とは、心理学用語の一つで、人間は第一印象で認識する傾向が強いという事を示したものになります。
人間は第一印象を3秒以内で決めるとも言われるほど、第一印象はとても大事なもので、第一印象で残った効果というのは、記憶されやすいというと特徴があります。
メラビアンの法則という言葉を聞かれた事がある方もいらっしゃると思いますが、人間の第一印象を左右するのに、メラビアンの法則では
- 視覚情報 55%
- 聴覚情報 38%
- 話の内容 7%
と言われていて、実は話の内容が第一印象で印象的に残る割合は、全体のわずか7%にしか過ぎないという事が分かっています。
それだけ、初対面で視覚と聴覚から得られる情報はとても重要なのですが、それぞれの情報にはどんなものがあるのか?を簡単にまとめると、以下のような情報です。
初頭効果と親近効果、ハロー効果の違い
初頭効果の他にも、第一印象と関係する心理効果として、
- 親近効果
- ハロー効果
と呼ばれるものがありますので、それぞれの違いを解説しておきます。
まず「親近効果」ですが、アメリカの心理学者N・H・アンダーソン氏が、1976年に提唱した心理効果で、最後に提示された情報の方が印象に残りやすいというものです。
初頭効果との使い分けを考えると、初頭効果が最初の情報が残りやすいという点で言えば、話を最後まで聞いて欲しい場合には、最初に重要な情報を持ってくる事で初頭効果を発揮出来ます。
一方で、相手との関係性がある場合は、親近効果を狙って、重要な情報は最後まで取っておく事が効果的です。
一方、「ハロー効果」ですが、1920年にエドワード・ソーンダイクという心理学者が提唱した、最初の段階で受けた印象や知った特徴が、後々まで評価を影響してしまう心理効果の事です。
初頭効果が第一印象によるものなのに対し、ハロー効果は第一印象を受けての印象や特徴が勝手に記憶を形成する可能性がある点に注目します。
例えば、ホームレスのような格好をしている大金持ちがいたとして、初対面で会った際の印象で「お金がないんだろう」と想定し、その人の評価を決めてしまう事もあるのでは無いでしょうか。
初頭効果の論文
初頭効果が発見されたのは、心理学者のソロモン・アッシュが、1946年に行った印象形成の実験とされていて、論文や実験方法が残っています。
ソロモン・アッシュの初頭効果に関する実験では、人物の性格を表した形容詞を順不同で羅列した文章を2つ用意し、それぞれの文章を呼んで、どんな印象が残るか?をチェックするものです。
それぞれの文章は、記載された内容は一緒ですが、順番が違うもので、例えば以下のように
- 明るい、素直、頼もしい、用心深い、短気、嫉妬深い
- 嫉妬深い、短気、用心深い、頼もしい、素直、明るい
なっている場合、1の文章では「明るい」印象を受けるのに対し、2の文章では「嫉妬深い」という事を印象づけやすくなります。
結果的に、1と2で人物像の印象を比べたところ、1は「明るい印象」、2は「嫉妬深い」と答える結果が多かったという事です。
初頭効果をビジネスに応用した事例
「初頭効果」を上手くビジネスに応用するには、どうすれば良いでしょうか?
ここでは、想定される事例をいくつか取り上げながら、初頭効果を上手く応用するヒントを紹介していきます。
初頭効果を就職活動の面接で応用
1つ目の事例は「就職活動の面接」についてです。
就職活動の学生の多くが、活動前に面接で準備しておく事であったり、マナーについて学びますが、すべて第一印象をより良くするための準備です。
面接官だけでなく、受付の方に対しても、少しでも良い印象を持たれるようにするには、どうすれば良いのか?を、考えましょう。
ヒントとしては「TPO」と呼ばれる「Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面)に応じたマナーを意識する」事です。
初頭効果をプレゼン資料で応用
2つ目の事例は「プレゼン資料に応用」についてです。
初頭効果は、新聞やブログ、プレゼンの見出しにも応用が可能です。
読者の目線で考えた場合、一番インパクトがあるのはタイトル、そして見出しですよね?
初頭効果が第一印象を良くするための効果を狙ったものであるとすれば、見出しなどを工夫してインパクトをつける事が重要です。
初頭効果を電話アポに応用
3つ目の事例は「電話アポ」についてです。
アポに限らないですが、電話応対は相手の顔が見えないので、声の口調、トーン、抑揚、スピードなどで判断されます。
特に、電話応対で初頭効果を発揮するまでの時間は「最初の3秒が大事」と言われていますので、トーンを上げる、ゆっくり話すなど心がけましょう。
初頭効果を恋愛に応用した事例
続いて、初頭効果と恋愛に関する効果についてですが、一般的に初頭効果は接触頻度にも関係しますが、「半年ほど効果が続く」と言われています。
第一印象で、好印象であれば恋愛においても有利に話が進むかもしれませんが、ネガティブな情報になった場合は、とにかく印象が変わるまで時間がかかるのです。
当たり前の話ですが、初頭効果で出来る限り相手に好印象を得られるような努力は必要になりますし、単純接触効果で会う頻度が高まったり、コミュニケーションが取れる状態になれば、「親近効果」を狙うのも良いでしょう。
親近効果の実例としては、例えば別れ際にプレゼントを渡すだったり、告白は最後にするというものだったりします。
基本は、初頭効果やハロー効果で、相手の第一印象をより良くし、印象づける事、その上で親近効果を上手く活用する事が、恋愛における初頭効果の有効な活用方法では無いでしょうか。
初頭効果をマーケティングに応用するには?
ビジネスや恋愛にも応用が可能な「初頭効果」を使ったマーケティングについて、ここでまとめていきたいのですが、前提としては「信頼関係が構築されていない状態」の際に、初頭効果を狙いたいものです。
例えば、ホームページやLP(ランディングページ)のファーストビューと呼ばれるものです。
ヒートマップをホームページに導入していれば、ファーストビューの離脱率を調べることが出来ますが、人はページで初めて見る印象を受けて、ページから離脱するか決まります。
いくらホームページやLPにアクセスを集める事が出来ていても、ファーストビュー離脱率が高ければ、集客の効果は下がってしまいます。
では、ファーストビューの離脱率を下げるためにはどうすれば良いか?ですが
- ファーストビュー画像、テキストの改善
- 目次や見出しで興味付け
などが有効です。
1つ目の「ファーストビュー画像、テキストの改善」についてですが、ABテストを通して、画像やテキストを入れ替えながら、反応を見る事が可能です。
2つ目の「目次や見出しで興味付け」についてですが、下まで読み進めたくなるような目次をつくったり、見出しでインパクトを出すという事も可能です。
チラシに関しても同じで、キャッチコピーやチラシで一番伝えたい情報をどこに持ってくるのか?フォントや文字の大きさを変えるだけで、ずいぶんと印象が変わってきます。
1つのデザインにこだわるのではなく、複数のデザインをテストする事で、顧客の反応を見るPDCAを意識的に取り組んでみましょう。
初頭効果とは何?まとめ
今回は、相手の第一印象を形成するのに一つの心理効果として「初頭効果」についてまとめてきました。
マーケティングと心理学は、実はコミュニケーション上でもとても大切なポイントになり、また円滑にするために欠かせないキーワードです。
初頭効果と同じように第一印象と関係するハロー効果や親近効果は、改めて詳しくまとめていきますが、是非とも使い分けを学んでいただき、相手に合わせた対応を変えていただくのも良いのでは無いでしょうか。