マンダラチャートのやり方|81マスを埋める3ステップ
「マンダラチャートは名前だけ知っているけれど、81マスをどう埋めればいいのか分からない」
そんなふうに、手が止まったままになっていませんか。真ん中に目標を書いたところまでは進んだものの、そこから先が埋まらず、書きかけのシートが机の上に残っている。そういう声は決してめずらしくありません。
結論から言いますと、マンダラチャートは真ん中の1マスに何を置くかで、ほぼ結果が決まります。
ここに「達成したい目標」ではなく「自分が答えを出したい問い」を置けるかどうか。それだけで、残りの80マスの埋まり方がまったく変わってきます。
この記事では、81マスを埋める3ステップの手順と、目標設定・課題抽出・探究学習・悩みの整理という目的別の使い分け、そして紙・エクセル・AIそれぞれのやり方の違いをまとめています。
もくじ
マンダラチャートのやり方は3ステップで完結する

マンダラチャートは、3×3の9マスを1つのかたまりとして、それを9個並べた81マスの表です。複雑に見えますが、やること自体は3ステップしかありません。順番を守れば、途中で手が止まる場面はかなり減らせます。
ステップ1 中心の1マスに目標ではなく「問い」を書く
最初に埋めるのは、81マスのちょうど真ん中にある1マスです。ここに書くのは「年商1億円」のような目標ではなく、「何をすれば年商1億円に届くのか」という問いの形にしたほうが、周囲のマスが出てきやすくなります。
目標を書くと、周囲の8マスには「がんばる」「続ける」といった精神論が並びがちです。
一方で問いを書くと、周囲には答えの候補、つまり具体的な手段が並びます。同じ中心マスでも、書き方ひとつで出てくる言葉の質が変わるところが、このツールのおもしろさだといえます。
問いの立て方に迷ったら、語尾を「どうすれば〜できるか」に揃えてみてください。それだけで、自然と手段を探す頭に切り替わります。
ステップ2 周囲8マスに切り口を出す(8つ埋まらない時の対処)
中心が決まったら、それを囲む8マスに、答えにつながる切り口を書き出していきます。
ここでよくあるのが「6つは出たけれど、あと2つが出てこない」という状態です。
8マスが埋まらない時は、無理に言葉をひねり出す必要はありません。
多くの場合、原因は発想力ではなく、中心の問いが大きすぎるか、逆に狭すぎるかのどちらかです。大きすぎる時は対象を絞り、狭すぎる時は一段引き上げると、残りのマスが出てきます。
それでも埋まらない場合は、「時間」「お金」「人」「仕組み」「情報」「健康」「環境」「関係性」という8つの角度を当てはめてみる方法があります。
切り口を自分で発明しなくても、枠のほうから引き出してもらえます。
ステップ3 8つをそれぞれ中心に置き直し、81マスへ広げる
周囲の8マスが埋まったら、その8つを外側のブロックの中心にそのまま書き写します。そして、それぞれについてまた8マスずつ出していく。これで9×9の81マスが埋まります。
ここまで来ると、最初は漠然としていたテーマが、64個の具体的な行動に分解された状態になります。
マンダラチャートが目標管理の道具として使われてきたのは、この「分解して、手を動かせる大きさにする」機能があるからだといえます。
埋める順番を間違えると手が止まる理由
外側から埋めようとすると、たいてい途中で止まります。外側のマスは、中心の問いから導かれて出てくるものだからです。
順番は、中心 → 内側の8マス → 外側の64マス。この一方通行を守るだけで、埋まる速度がかなり変わります。
目的別に変わる使い方4パターン|マンダラチャートは目標設定にも課題抽出にも使える

同じ81マスでも、何のために使うかで中心マスの書き方が変わります。代表的な4つのパターンを挙げます。
目標設定に使う(1年後の到達点から逆算する)
目標設定で使う場合は、中心に「1年後にこうなっているために、何をするか」と置きます。
期限を入れるのがポイントです。
期限のない目標を中心に置くと、周囲のマスに出てくるのは「いつかやること」ばかりになります。期限が入ると、今月できることと来年でいいことが自然に分かれ、優先順位がついた状態で81マスが埋まっていきます。
ビジネスや起業の課題抽出に使う
起業や新規事業の場面では、中心に「うまくいっていない原因はどこにあるか」と置く使い方が向いています。
このとき大事なのは、思いついた課題をすべて外に出しきることです。
頭の中にあるうちは、大きな問題も小さな問題も同じ重さに感じられます。81マスに並べて眺めると、本当に手をつけるべき数個が浮かび上がってきます。
探究学習で「問いを立てる」練習に使う
学校の探究学習でも、マンダラチャートは問いを広げる道具として使えます。
中心に調べたいテーマを置き、周囲8マスに「なぜ」「どこで」「誰が」「いつから」といった角度の問いを並べていく形です。
答えを埋める表としてではなく、問いを増やす表として使うと、探究のテーマが自分の言葉で決まっていきます。
調べ学習が「検索して写す」で終わらないための、地味ですが上手な使い方だと思います。
自分の悩みの解決手段を洗い出すために使う
悩みの整理に使う場合は、中心に「この状況をどうすれば軽くできるか」と置きます。悩みそのものを中心に書くと、周囲にも悩みが並んでしまうので、解決を向いた問いに変えておくのがコツです。
書き出すこと自体に、頭の中を外に出す効果があります。
81マス全部を埋める必要はなく、内側の9マスだけでも十分に見通しがよくなります。
紙とエクセルとAIで変わるマンダラチャートの書き方と向き不向き

マンダラチャートは道具を選びません。ただ、何で作るかによって、つまずく場所が変わります。
紙は書き出しが速いが、書き直しに弱い
紙に定規で線を引いて書く方法は、いちばん手軽です。思いついた瞬間に書けるという速さは、他の方法では代えがたい強みだといえます。
一方で、中心の問いを途中で変えたくなった時に、全部書き直しになります。最初の1枚は紙、整理する段階でデータに移す、という併用が現実的です。
エクセルは共有しやすいが、8マスで手が止まりやすい
エクセルやスプレッドシートで枠を作れば、チームで共有でき、あとから並べ替えることもできます。会社で使うならこの形が扱いやすいです。
ただし、空欄がきれいに並んでいるぶん、埋まらないマスのプレッシャーが強く出ます。
「あと2つが出ない」で止まる現象は、紙よりもエクセルのほうが起きやすい印象があります。
AIを使うと、埋まらないマスに候補が出る
AIを使うやり方は、この「埋まらない」問題への対処になります。
中心の問いを入力すると、周囲の切り口の候補が出てくるため、ゼロから絞り出す必要がなくなります。
大事なのは、出てきた候補をそのまま採用しないことです。
AIが出すのは一般的な選択肢なので、自分の状況に合う言葉へ書き換える作業は、どうしても残ります。
むしろ、書き換えるための下書きとして使うのが、いちばん効率のよい付き合い方だと思います。
AIマンダラチャートで81マスを埋めるやり方

上記の考え方をそのまま形にしたツールとして、有料Noteを購入いただいた方にAIマンダラチャートを無料公開しています。
https://note.com/taka_osaka2024/n/n82ae3be86de9
中心の問いを入力してから展開する手順
使い方は、これまでに説明した手順と同じです。まず中心に問いを入力し、そこから周囲8マスを展開し、さらに外側へ広げていきます。
手順が同じなので、紙で書いていた人がそのまま移行できます。違うのは、空欄のまま止まった時に候補を出せる点だけです。
出てきた案を自分の言葉に直す作業は残る
AIが出した案は、たたき台です。自分の事業や生活に当てはめて、言葉を入れ替える工程は残ります。
この工程を省くと、きれいに埋まっているのに実行できない81マスができあがります。
埋めることが目的ではなく、動ける状態にすることが目的だという点は、道具が変わっても同じです。
ツールのURLと使える場面
目標設定、起業や事業の課題抽出、探究学習の問いづくり、そして個人の悩みの整理まで、中心の問いを変えるだけで使い回せます。
10年以上の経営でマンダラチャートを課題抽出に使って分かったこと

ここからは実際に使ってきた立場からの話です。筆者はFCベーカリーの運営を含め、10年以上経営に関わってきました。
FCベーカリーの課題抽出に使った時の埋め方
店舗の数字が思うように伸びない時期に、中心へ「客数を増やすには何をすればいいか」と置いて81マスを埋めたことがあります。
出てきたのは、商品、接客、立地、価格、販促、スタッフ教育、時間帯別の運営、そして地域との関係という8つの切り口でした。
頭の中では「商品が弱いのでは」と思い込んでいたのですが、書き出してみると、手をつけていない領域が他に4つあることがはっきりしました。
思い込みを外す装置として働いてくれたことが、いちばんの収穫だったと感じています。

埋めきることより、捨てるマスを決めるほうが効く
81マスすべてを実行することはできません。実際にやるのは、多くても3つか4つです。
そのため、埋め終わったあとに「今期はやらない」と決めるマスに印をつけています。やることを決めるより、やらないことを決めるほうが、現場では効きます。
マンダラチャートの本当の価値は、選択肢を並べて捨てられる状態にしてくれるところにあるのかもしれません。
81マスの埋め方を知っても、マンダラチャートが向かない場面はある

正直に書きますが、この道具が合わない場面もあります。
やることが1つに決まっている時
すでに何をすべきかが明確な時に81マスを広げると、かえって迷いが増えます。選択肢が必要ない場面では、素直に実行したほうが早いです。
期限が今日明日に迫っている時
81マスを埋めるには、それなりの時間がかかります。締め切りが目前の時は、思考を広げるより絞る作業が必要なので、別の方法を選んだほうがよいといえます。
書くこと自体が目的になってしまう時
埋めたことで満足してしまう、という落とし穴もあります。埋め終わったら、1つだけ着手する日をその場で決める。そこまでをセットにしておくと、この落とし穴は避けられます。
マンダラチャートのやり方についてのまとめ

マンダラチャートのやり方は、中心に問いを置き、周囲8マスに切り口を出し、それを外側へ広げる、という3ステップです。順番を守ること、そして中心に目標ではなく問いを置くことが、81マスを最後まで埋めるための要点になります。
いきなり81マス全部を目指す必要はありません。まずは中心の1マスに、答えを出したい問いを1つだけ書いてみてください。そこから先は、意外と手が動きます。
少しでもお役に立てたら幸いです。
書き出した課題から、どれを今期やってどれを捨てるかの決め方は、有料note「店舗集客の教科書」で詳しく解説しています。
また、起業や独立を前提に目標を組み立てたい場合は、40代の起業は成功しやすい?データと判断基準で年代別の傾向を、慎重に判断したい場合は50代の起業をおすすめできない理由と判断基準でメリットとデメリットの両面を確認してください。






