飲食店の日報は何を書く?続く項目に絞れば、翌日の行動が変わる

飲食店 日報

日報をつけている飲食店は多いと思います。

でも、書いた日報を読み返しているかと聞かれると、答えに詰まる人も多いのではないでしょうか。

私も以前はそうでした。その日にあったことをノートやエクセルに書き込んで、それで終わり。翌日の仕込みや発注に反映させることは、ほとんどありませんでした。

先に結論を書きます。

飲食店の日報は、売上・客数・客単価・天候・廃ります棄の5項目に絞れば、毎日の入力は1分で終わり、翌日の行動につながります。

この記事では、パン屋2店舗を運営する立場から、実際に続けている日報の項目と、それを翌日の判断にどうつなげているかを書きます。

飲食店の日報を「今日の作業記録」で終わらせると、翌日の行動につながらない

飲食店 日報

日報という言葉から思い浮かぶのは、その日の売上や出来事を記録する作業です。

実際、多くの飲食店の日報テンプレートを見ると、時間帯別の売上、客層、クレーム対応、スタッフの気づきなど、書く項目自体は網羅されています。

項目を埋めることが目的になってしまうと、日報は「今日あったことのメモ」で止まります。

私自身、数字をきちんと見ていなかった時期がありました。売上の数字は毎日記録していたのに、原価や人件費と並べて見る習慣がなかったため、原価率が上がっていることにも、人件費が重くなっていることにも気づけませんでした。

その経緯は数字を見ない経営者だった頃の話に書いた通りです。日報も同じで、書くこと自体を目的にすると、数字が悪化していても気づけません。

当時の日報は、売上の数字を書き写すだけのノートで、それを見返して発注や仕込みの量を変えるという発想がありませんでした。

日報を読み返す前提で書くと、項目の意味が変わる

日報を「翌日読み返すもの」として書くようにしてから、同じ項目でも意味が変わりました。

売上の数字を書くにしても、「今日は雨だったから客数が少なかった」と天候を並べて書けば、翌日以降に同じ天候が続いたときの発注量の判断材料になります。

逆に、天候も書かずに売上の数字だけを並べても、翌日の判断には使えません。日報は項目の多さより、翌日の自分が読んで判断できる形になっているかどうかが大事だと考えています。

書く項目より、読み返すタイミングを先に決める

項目を決める前に、いつ読み返すかを先に決めておくと、日報の書き方が変わります。

自分の場合は、翌朝の仕込み前に前日分を見返すと決めています。仕込みの量を決める直前に前日の日報を見るので、書く側も「翌朝の自分が仕込み量を決めるために必要な情報は何か」を意識して書くようになりました。

読み返すタイミングを決めずに書いていた頃は、何のために記録しているのかが曖昧なまま項目だけが増えていきました。

飲食店の日報に書く項目は、売上・客数・客単価と天候、廃棄の5点で足りる

飲食店 日報

日報のテンプレートを調べると、売上、客層、メニュー別の販売状況、クレーム、スタッフの動き、在庫、気づきなど、8項目前後を挙げているものが多くあります。

網羅的で参考にはなりますが、毎日それだけの量を埋めるのは現実的ではありません。自分の店では、日報に書く項目を売上・客数・客単価・天候・廃棄の5つに絞っています。

  • 売上・客数・客単価:その日の水準を翌日以降と比べるための基準
  • 天候:客数の増減が天候によるものか、それ以外の要因かを見分ける材料
  • 廃棄:仕込み数と実際の売れ行きのズレを翌日の発注に反映させる材料

天候を毎朝記録するだけで、客数の増減の理由が分かるようになった

自分の店では、前日の最低気温と天気を毎朝自動で記録に加えています。

パン屋の客数は天候ではっきり動くので、「今日は客数が少なかった」という結果だけを日報に書いても、雨のせいなのか、それ以外の要因なのかが分かりません。

天候まで一緒に書いておくと、翌週以降に似た天候が来たときの発注や仕込み数の判断がしやすくなります。

実際、雨の日の客数減は10%程度で収まっていますが、これも天候を毎日記録しているから言える数字です。

廃棄の記録は7項目に分けると、原価率が動いた理由まで追える

廃棄についても、「今日は少し余った」で終わらせず、商品名・製造数・販売数・廃棄数・廃棄原価・廃棄理由・売り切れ時間の7項目に分けて記録しています。

この7項目化の詳しい経緯は原価率を1%下げるために続けた記録に書きましたが、日報に落とし込む段階では、この7項目のうち商品名・製造数・販売数・廃棄数・廃棄理由の5つだけを毎日の欄に置き、廃棄原価は週の終わりにまとめて計算しています。

毎日すべてを埋めようとすると続かないので、日報の段階では負担の軽い項目だけに絞るのがコツです。

廃棄理由まで書くようにしてから分かったのは、廃棄が増える日にはパターンがあるということでした。

天候が崩れて客数が読めなかった日、イベントの前後で製造数を多めに設定した日など、廃棄理由を並べて見ると原因が見えてきます。

理由を書かずに廃棄数だけを記録していた頃は、廃棄が増えても「今日はたまたま」で片づけていました。日報に理由まで残すようにしてからは、翌日の製造数を減らす判断がしやすくなっています。

飲食店の日報は、毎日書く3項目と週1回にまとめる2項目を分けると続く

飲食店 日報

日報が続かなくなる一番の原因は、毎日の項目と週1回でよい項目を分けずに、全部を毎日埋めようとすることだと考えています。

5項目あっても、毎日書くのは売上・客数・客単価の3つだけにして、天候は自動記録、廃棄は営業後に1回書き込む程度に留めれば、日々の負担はほとんど増えません。

毎日は1分で終わる3項目だけにする

営業後にレジを締めるタイミングで、売上・客数・客単価の3つを入力するだけなら1分もかかりません。

この3つさえ毎日書いておけば、あとから天候や廃棄の記録を足しても、基準となる数字はすでに揃っています。

日報を始めるときに項目を多く設定しすぎると、忙しい日に入力が後回しになり、結局続かなくなります。

まずは3項目から始めて、書く習慣ができてから天候や廃棄を足していく順番の方が、続けやすいと感じています。

天候と廃棄は、記録の負担が違うことを分けて考える

天候はスプレッドシートに自動で入るようにしているので、自分の手間はほぼゼロです。

一方、廃棄は営業後に自分の手で数えて書き込む必要があるので、手間がかかります。

同じ「毎日書く項目」として並べていても、負担の大きさが違うことを意識しておくと、続けやすい仕組みに調整しやすくなります。

廃棄の記録が負担に感じる日は、商品名と廃棄数だけ書いて、廃棄理由は翌朝に思い出しながら足す、というやり方でも構わないと考えています。

負担の大きさを分けて考えるようになったのは、廃棄の記録が止まった時期があったからです。忙しい日が続いたときに廃棄の記録だけが抜け落ち、気づいたら1週間分が空欄になっていました。

そこで、廃棄は「商品名と廃棄数の2つを優先して書き、理由と売り切れ時間は余裕があれば足す」という優先順位を決めました。

全部揃わない日があっても、最低限の2つさえ残っていれば週の終わりに廃棄率は計算できます。完璧に埋めることより、最低限の項目を欠かさないことを優先するようにしています。

飲食店の日報は「毎日の入力」、売上管理は「週次の判断」に役割を分ける

飲食店 日報

日報と売上管理表を混同すると、どちらも中途半端になります。

自分の店では、日報は毎日の入力、売上管理表は週1回の判断、と役割をはっきり分けています。

日報に書いた売上・客数・客単価・天候・廃棄の記録を1週間分並べると、そのまま売上管理表の元データになります。

5項目を1枚の表にまとめて毎週見る運用の詳細は飲食店の売上管理|利益に効く5項目を毎週の表にするに書きました。

日報を1週間分並べると、売上管理表の元データになる

日報を書く段階では、その日1日の数字と出来事を残すことだけを考えています。

判断はしません。判断は週1回、日報を1週間分並べたときにまとめて行います。

この順番を守ると、日報を書く作業自体は軽くなります。毎日「これはどう判断すべきか」まで考えながら書こうとすると、1分では終わらなくなるからです。

数字を見ていなかった頃は、この2つが分かれてすらいなかった

原価と人件費を見ていなかった時期は、そもそも日報と売上管理という区別自体がありませんでした。

売上の数字をノートに書くだけで、それを週次でどう見るかという発想がなかったのです。

日報を「毎日の記録」、売上管理を「週次の判断」と分けて考えるようになったのは、数字を並べて見る習慣ができてからです。

日報の廃棄原価は、売上管理表の原価率に合流する

日報の段階では書かなかった廃棄原価も、週の終わりにはまとめて計算し、売上管理表の原価率に反映させています。

日報に商品名・製造数・販売数・廃棄数・廃棄理由を毎日残しておけば、週末に単価をかけて廃棄原価を出すだけで済みます。

毎日の記録が粗いと、週末にまとめて計算しようとしても元のデータが足りず、

結局あいまいな数字になってしまいます。日報の5項目を丁寧に埋めておくことが、そのまま売上管理表の精度を上げることにつながっています。

まとめ|飲食店の日報は今日から書ける3項目から始めればいい

飲食店の日報で大事なのは、項目の多さではなく、翌日の自分が読み返して判断できる形になっているかどうかでした。

売上・客数・客単価・天候・廃棄の5項目のうち、毎日書くのは3項目だけに絞り、天候は自動記録、廃棄は営業後にまとめて書けば、日々の負担はほとんど増えません。

書く項目を絞ったことで、以前より続けやすくなったと感じています。

今日から着手できる形にすると、次のようになります。

  • 売上・客数・客単価を、営業後のレジ締めのタイミングで1分で入力する欄を作る
  • 天候(前日の最低気温と天気)を、分かる範囲で毎日の記録に加える
  • 廃棄は商品名・製造数・販売数・廃棄数・廃棄理由の5項目に絞って営業後に書き込む
  • 日報は判断せず記録に徹し、判断は週1回まとめて行うと決める
  • 1週間分の日報を並べて、売上管理表に転記する曜日を決める

全部を最初から揃えなくても構いません。まずは毎日の3項目から始めれば、1週間後には天候と廃棄を足すための土台ができています。

日報は完成させてから使うものではなく、書きながら項目を調整していくものだと考えています。

書く量を増やすより、翌朝の自分がその日報を見て何かひとつ判断できるかどうかを基準にすると、続けやすい形が見えてきます。


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