話が長いと言われる人へ|伝わる短さに変える3つの直し方

話が長い

話が長いと言われた経験があると、次に話すときも身構えてしまいます。短くしようとするほど、何を削ればいいのか分からなくなるという人も多いと思います。

結論から言うと、話が長いのは話す力が足りないからではなく、渡している要素が多すぎるからです。

1回に伝えるテーマを1つに絞り、前置きをやめ、最後の一言だけ先に決めておく。この3つで、同じ内容でも伝わり方が変わります。

私はパン屋を2店舗運営していて、朝礼やスタッフとの面談で毎日話しています。

伝わらない日の自分を振り返ると、決まって要素を詰め込みすぎていました。この記事では、話が長いと言われる原因と、その場で直せる方法を整理します。

もくじ

話が長い人の特徴は、話しながら考えていること

話が長い 特徴

話が長い人の特徴としてまず挙げられるのは、話しながら考えていることです。

頭の中に浮かんだ順にそのまま出しているため、聞き手には整理されていない状態のまま届きます。

頭の中は、きれいな順番では浮かびません。あんなことがあった、でもあの時はこうだった、という具合にばらばらに出てきます。

それを整える作業をしないまま口に出せば、ばらばらのまま相手に渡ることになります。

順番を整えるのは、話す側の仕事

聞き手が頭の中で組み立て直してくれる、ということはまずありません。

順番を決めるのは話す側の役割です。

私も、思いついた順に話してしまった朝礼のあと、スタッフから「結局どれを優先すればいいですか」と聞かれたことがあります。

伝えた量は多かったのに、伝わった量はゼロに近かったということです。

話が長い人の特徴は、要素の数に出る

話の長さは、時間ではなく要素の数で決まります。10分話しても、伝えたことが1つなら長いとは感じられません。

逆に3分でも、話題が5つ入っていれば長く感じます。

削れないのは、優先順位を決めていないから

短くできない人は、どれも大事だと思っています。

ただ、全部大事だと言うのは、何も選んでいないのと同じです。今日この場で相手に持ち帰ってほしいものを1つ選ぶところから始まります。

話が長いと「頭が悪い」と思われてしまう理由

話が長い 頭が悪い

話が長い人は頭が悪いと言われることがありますが、これは正確ではないと思います。

実際には、考えている量が多い人ほど話が長くなりやすいからです。

伝わらない原因は、知識ではなく編集

問題は知識や理解力ではなく、編集していないことにあります。考えた過程をすべて見せると、聞き手は結論を探しながら聞くことになります。

その負荷が「分かりにくい人」という評価に変わります。

結論が最後にあると、評価が下がる

日本語は結論が後ろに来やすいため、意識しないと最後まで結論が出てきません。

会議で「結局何が言いたいのか」と言われるのは、内容ではなく順番の問題であることがほとんどです。

先に結論を置くだけで、同じ話でも評価は変わります。報告の形を決めておくと、この順番が崩れにくくなります。

日々の報告を型にする方法は、飲食店の日報は何を書く?続く項目に絞れば、翌日の行動が変わるにまとめています。

話が長い人が自分の話ばかりになるのは、テーマを絞れていないから

話が長い 自分の話

話が長い人は自分の話ばかりする、という言われ方もします。本人にその意図はなくても、関連して思い出した話をそのつど足していくと、結果として自分の話が増えていきます。

1回の話にテーマは1つ

対策はシンプルで、1回の話にテーマを1つだけにすることです。出来事が3つ出てくるのは構いません。

それが1つのテーマを支えているなら、聞き手は混乱しません。

自分でも確かめられます。話し終えたあとに「要するに何を伝えたか」を一言で言えるかどうか。言えなければ、テーマが複数入っています。

思いついたことは、その場で全部渡さない

話している最中に別のことを思いつくのは自然です。ただ、それを同じ流れに混ぜると、どれが本題か分からなくなります。

物のお土産なら複数渡しても区別がつきますが、話は混ざります。思いついたことは、話し終えたあとに「もう1つだけ」と分けて出すほうが届きます。

前置きをやめる

もう1つ効くのが、前置きをやめることです。「うまく話せませんが」「お時間をいただきまして」といった入りは、本題の前に集中を消費します。

いきなり本題から入ると、聞き手の姿勢が変わります。私は朝礼で、天気やあいさつから入るのをやめて、その日いちばん気をつけてほしいことから話すようにしました。

それだけで、聞いている人の顔つきが変わります。

話が長い人にイライラするのは、終わりが読めないから

話が長い イライラ

話が長い人にイライラする、という声はよく聞きます。ただ、苛立ちの原因は長さそのものではなく、終わりが読めないことにあります。

見通しがあるだけで、受け取り方が変わる

同じ5分でも、「3つあります」と最初に言われた話と、いつ終わるか分からない話では、聞く側の負担がまったく違います。

先に数と所要時間を言うだけで、長さへの不満は減ります。

聞き手の時間を奪っている自覚を持つ

営業中に長い話を始めると、スタッフは作業を止めたまま聞くことになります。

厨房も売り場も動いている時間帯なら、その数分は売上にも関わります。

話の長さは、相手の時間を使っているという意味で、コストでもあります。

私は忙しい時間帯の連絡は口頭ではなく短文で渡し、詳しい話は営業後に回すようにしています。

集客や運営の改善も、優先順位を決めてから手をつけるほうが進みます。どこから直すかの順番は、店舗集客を立て直す、最初の4ステップで整理しました。

改善案を洗い出して「今やるべき3つ」に絞る手順は、店舗集客、何から始める?72個の改善案から「今やるべき3つ」を決める実践メソッドにまとめています。

話が長い人といると疲れるのは、要点を相手に探させているから

話が長い人 疲れる

話が長い人といると疲れる、という感覚にも理由があります。聞き手が、要点を探す作業を代わりにやらされているからです。

探す作業を、話す側が引き受ける

どこが本題で、どれが補足なのか。それを話す側が示さないと、聞き手は全部を覚えながら聞くことになります。

これは想像以上に消耗します。

「大事なのはここです」と一言入れるだけで、聞き手は力を抜いて聞けます。聞く側の負担を減らすことが、短く伝えることの目的でもあります。

短く話すことは、冷たいことではない

短く話すと、そっけない印象になるのではと心配する人もいます。私もそう思っていた時期がありました。

ただ、実際に短くしてみると、相手からの質問が増えました。短く伝えたぶん、やり取りの時間が生まれたということです。

話す量は減っても、会話の量は増えています。

ビジネスで話が長い人が損をするのは、判断の場から外されていくから

話が長い人 損

ビジネスの場面で話が長いと、単に嫌われるだけでは終わりません。意思決定の場に呼ばれなくなる、という形で損をします。

判断する人は、結論を先に求める

決裁する立場の人は、複数の案件を並行して見ています。結論と理由が先に出てこない報告は、後回しにされます。

内容が良くても、伝わる順番になっていなければ通りません。

これは能力の評価ではなく、渡し方の問題です。

数字を先に出すと、話は短くなる

私が報告を短くするためにやったのは、数字を先に置くことでした。売上、客数、客単価のどれがどう動いたかを先に言えば、そのあとの説明は要点だけで済みます。

数字を見ずに感覚で話していた頃は、説明が長く、結論も曖昧でした。

その頃のことは数字を見ない経営者だった頃の話に書いています。

会議では、先に「3つあります」と言う

会議で話すときは、冒頭に数を宣言するようにしました。

「3つあります」と言えば、聞き手は3つ分の枠を用意して聞けます。

話す側も、4つ目を足しにくくなるので、自分への制約にもなります。

数を先に出せない日は、まだ整理ができていない合図です。

そういう日は、資料を1枚作ってから話すようにしています。

人の配置を決める場面ほど、短さが効く

シフトや役割分担を決める場面では、判断に必要な材料だけを渡すほうが早く決まります。

基準を決めておけば、説明そのものが短くなります。具体的な組み方は飲食店のシフトの組み方|人時生産性を基準にした手順で解説しています。

話が長い人に気づかせるには、指摘より場の作り方を変える

話が長い 場の空気

話が長い人に気づかせるにはどうすればいいか、という悩みもあります。本人に直接伝えるのは角が立ちますし、言われた側も直し方が分かりません。

「話が長い」と指摘しない

人格を評価する言い方は、相手を身構えさせます。

伝えるなら、長さではなく形に触れるほうが角が立ちません。「先に結論だけ教えてください」と頼むのは、指摘ではなく依頼です。

時間と形を先に決めておく

効くのは、場の作り方を変えることです。

  1. 話す時間を先に共有する
  2. 報告は3点までと決める
  3. 時間が来たら切り上げる

ルールにしてしまえば、特定の誰かを責めずに済みます。

私はスタッフとの面談で、終わりの時間を先に伝えるようにしています。

終わりが見えていると、話す側も自然と要点から話すようになります。

質問の形で返す

長い話の途中で切るのは難しいものです。

私は、区切りのいいところで「つまり、◯◯ということですか」と要約して返すようにしています。

要約が合っていれば話は前に進みますし、違っていればそこだけ補足してもらえます。

この返し方には副産物があって、本人が「自分の話はこう縮められるのか」と気づく場面があります。

指摘されるより、見本を受け取るほうが早いのだと思います。

短く話す人が、場にいること

いちばん伝わるのは、短く話す人が同じ場にいることだと感じています。

短い報告で話が通っていく様子を見ると、周りの話し方も変わっていきます。

まとめ|話が長いのを直すのは、この3つだけでいい

話が長いのを直すために、話術を身につける必要はありません。やることは3つです。

  • 1回の話に、テーマを1つだけにする
  • 前置きをやめて、本題から入る
  • 最後に言う一言を、話す前に決めておく

3つ目は、即興で話を振られたときの保険にもなります。

人は話の最初と最後を覚えているので、着地の言葉が決まっていれば、途中が多少よれても伝わります。

3つ同時にやろうとすると続きません。

明日は前置きをやめるだけ、と決めて1つずつ試すほうが身につきます。

話す量を減らすと、決まるまでの時間が短くなります。

私の店では、朝礼を短くしたぶん、開店前の準備に時間を回せるようになりました。

伝える時間を削ったのに、伝わる量は増えているという実感があります。