西郷隆盛の名言や格言!味わい深い言葉から意味と想いを受け取りましょう
大久保利通、木戸孝允と共に「維新の三傑」として明治維新に貢献した「西郷隆盛」。
その風貌と鹿児島弁のなまった「おいどん」という言葉は全国に知れ渡っていますが、激動の幕末から明治維新を生きた武士らしく、様々な名言や格言を残しています。
この記事を読む事で、西郷隆盛の名言や格言の意味や捉え方を知り、ご自身の人生に活かすヒントを得られたり、座右の銘にする事も可能です。
もくじ
西郷隆盛の本名や性格はじめ生涯プロフィール年表
西郷隆盛の本名が「隆盛」となったのは、元服以降の話です。
幼少期は「西郷小吉」、通称は吉之介、善兵衛、吉兵衛、吉之助と名前を変え、元服時に隆永となり、武雄に変更し、最終的に隆盛となりました。
西郷隆盛の性格
西郷隆盛は、若かりし頃は、血気盛んで、敵を作りやすい性格だったようです。
薩摩の藩主島津斉彬が、薩摩藩の下級武士だった西郷隆盛を見出すまでは、上層部の評判が良くなかった事もあり、才能を発揮する事がなかったのです。
また、写真の風貌どおり、大きな身体のイメージもあってか、細かい事に囚われる事はなく、豪放磊落で、茫洋としたところがあります。
謹厳・実直・生真面目で、融通がきかない「堅物」だったと、様々なエピソードからも分かるようです。
西郷隆盛の座右の銘 敬天愛人(天を敬い、人を愛する)
西郷隆盛は、「敬天愛人(天を敬い、人を愛する)」という言葉を座右の銘にしていました。
敬天愛人は、
道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。
天を敬い人を愛し、天を知り、己を尽くし、人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ねるべし。
天は人も我も、同一に愛し給うゆえ我を愛する心を以って、人を愛するなり。
という意味になりますが、宇宙を含めて天地自然は人の道に繋がり、天地自然への敬意を払うのは「天意」です。
自分自身を律し、人を責める事をせず、自分の誠心誠意の心が足りない事を律する座右の銘です。
西郷隆盛は愛犬家としても知られるが名前は?
西郷隆盛と言えば、常に犬を連れているというイメージがありますよね??
実際に、西郷隆盛は愛犬家として知られていて、数十匹もの犬を飼育していた事でも知られていますのですが、驚きなのが愛犬たちにご飯、鶏肉、魚、卵などをたっぷりと食べさせていたようです。
ちなみに、犬を飼い始めた理由は「太り過ぎを気にして、ダイエットのため」だったそうです。
西郷隆盛の愛犬は「ツン」という名前で、今では絶滅した薩摩犬でした。
今も上野公園に見られる西郷隆盛の銅像は、とても凛々しい格好で我々を見守ってくれていますよね。
西郷隆盛のプロフィール年表
ここから、西郷隆盛の主な生涯を年表で振り返ってみたいと思います。
1828年(文政10年) | 鹿児島市加治屋町に下級藩士の長男として誕生 |
1854年 | 藩主島津斉彬の御庭方役となる |
1858年 | 藩主島津斉彬が急逝、島津久光が後見人となり西郷隆盛は殉死しようとするも、僧侶月照に説得され、島津斉彬の意思を継ぐ事を決意 |
1866年 | 長州藩士桂小五郎と坂本龍馬の仲裁で「薩長同盟」が成立 |
1867年 | 勝海舟、山岡鉄舟と会談し、江戸無血開城を果たす。 |
1871年 | 新政府で陸軍大将と参議を兼務 |
1877年 | 西南戦争で指導者となるも敗北し、城山で自害する。 |
西郷隆盛の名言や格言が凄い!深い言葉の意味は?
西郷隆盛の49年に渡る短い生涯ですが、薩長同盟や江戸無血開城など、幕末の重要なエピソードには欠かせない重要人物です。
そんな西郷隆盛の残した数々の名言や格言、それぞれの意味について考えていきましょう。
西郷隆盛の「道」を説く名言・格言
人間がその知恵を働かせるということは、 国家や社会のためである。だがそこには人間としての「道」がなければならない。電信を設け、鉄道を敷き、蒸気仕掛けの機械を造る。そういうことは、たしかに耳目を驚かせる。
しかし、なぜ電信や鉄道がなくてはならないのか、といった必要の根本を見極めておかなければ、いたずらに開発のための開発に追いまわされることになる。
まして、みだりに外国の盛大を羨んで、 利害損得を論じ、家屋の構造から玩具にいたるまで、いちいち外国の真似をして、贅沢の風潮を生じさせ、 財産を浪費すれば、国力は疲弊してしまう。それのみならず、人の心も軽薄に流れ、 結局は日本そのものが滅んでしまうだろう
現代にも通じるような深い言葉だと思うのですが、西郷隆盛は文明開化で欧米化が急速に進む世の中に対して憂いていたようです。
日本には日本の良さがあり、古風は未来へ受け継がれていくべき技術や伝統があるはずです。
いかなる時代でも、日本が日本らしさを失わないように「日本人としての生き様」を見せていきたいものですね。
大きなことでも、小さなことでも、道理にかなった正道を踏み、真心を尽くし、決して策略を用いてはならない。
どんな事でも正々堂々と行い、相手には誠心誠意尽くす事を意識しましょう。
特に仲間や仕事のパートナーに対して、策略を用いてマウントを取るような行為はNGです、お互いがフラットな対等な関係を築くようにしましょう。
西郷隆盛の「己」のための名言・格言
人を相手にせず、天を相手にして、おのれを尽くして人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。
天とは当時は帝(天皇)の事でしょう、現代だと人それぞれの立場で違うと思いますが、私は「日本の事を思う」とすれば全員の考えが集約されるのでは無いか?と考えます。
日本の発展のために納税し、社会保障や公共サービスを受けることが出来ると思えば、誰か人を責めるような事をせず、自分自身の誠実さが足りない、「己を見つめ直す」事に繋がるのでは無いでしょうか。
己を利するは私、民を利するは公、公なる者は栄えて、私なる者は亡ぶ。
自分の利益ばかり考えず、日本の利益のためを考えましょう、日本が発展していく事は、結局のところ、自分も発展する事になりますので、「私的な感情や欲で滅ぶような事のないよう」にしましょう。
人は、己に克つを以って成り、己を愛するを以って敗るる。
人は自分には甘く、他人に厳しくありがちです。
自分に甘くなると、より高い目標を設定しなくなり、怠惰な生活になる事を戒めた名言です。
自分自身の甘さに打ち勝つ事こそ「愛」であって、自分自身に甘くなるのは決して良くない事を学びましょう。
小人は、己を利することを欲し、 君子は、民を利することを欲する。
ビジネスの原理原則と同じです、自分が儲かるから仕事をするのではなく、「誰かのお役に立つこと」でビジネスが成り立つという事を理解できる名言です。
利他の精神が、世の中を繁栄させ、その先に自分自身に返ってくるという返報性の法則を意識しましょう。
西郷隆盛の「チャンス」に関連した名言・格言
幾度か辛酸を経て、志、初めて堅し。 丈夫は、玉砕に及んで、瓦全を愧じる。
西郷隆盛の漢詩の一つですが、
人間は辛く苦しい事を何度も経験して初めて志が堅固になるのです。
また、立派な男はたとえ玉となり散る事があっても、瓦として生きながられるような事を恥とする
意味になります。
自分がこれだと思った志は、どれだけ苦しくても最後までやりきるのです。
その結果失敗しても、やらなかった事に対する後悔をするよりも清々しい気持ちでいれるはずという意味だと私は思いました。
大事に望みては、機会は是非、引き起こさざるべからず
大きな目標を見つけて進む際には、チャンスは自分で積極的に作り出していくべきで、消極的になってはいけないという事を意味しています。
私が好きな言葉で「宇宙はスピードを好む」というものがありますが、スピード感を持って、物事に取り組むのが良いかと思います、善は急げという事も同意で、とにかくチャレンジする事を忘れないようにしたいものですね。
過去の功績のご褒美として役職につけるのは、善くないことの第一である。
功績のある人には俸給をあたえて賞し、役職はそれにふさわしい人物にあたえよ。
仕事で結果を出す人と、仕事で上に立つ人は違うという事を意味しています。
仕事で結果を出す人に対して、当然ながら結果に見合う報酬を支払うのは当然ですが、結果に対して役職を出すのでは無いという事です。
あくまで、人の上に立てる器量がある事が重要という事でしょう。
西郷隆盛の「思考」に関する名言・格言
およそ思慮は平生、黙座静思の際においてすべし。
熟考する時は、とにかく黙って座り、静かに行うという意味です。
何かと雑念に囚われたり、周りの意見に振り回される事がありがちですが、真に考えるべき事がある時は、全てシャットダウンして行います。
雑念に囚われる前に、心を落ち着かせるアイデアの一つに「瞑想」をおすすめします。
詳細は、下記の記事でまとめていますので、参考にして下さい。
思い切ってやりなさい。責任は私がとる
リーダーとして当然持ち合わせておくべき資質の一つです。
上司や先輩が、責任を持ってくれるという事が伝われば、部下も後輩も気概を感じて勝手にやり始めるものです。
リーダーは「やらせる」のではなく、「(自ら)やりたくなる」ようにする、そのために必要な思考ですね。
西郷隆盛の短いが人気の「梅」にまつわる名言・格言
西郷隆盛の名言・格言は、文章だけでなく短い漢語もあり、特に人気のある言葉として
「耐雪梅花麗」
があります。
意味は、「雪に耐えて梅花麗し」と訳されて、梅の花は雪に耐えるからこそ、麗しき花をつける、つまり困難は耐えた先にこそ、目標達成がされるという事です。
雪が広がるシーンや梅の花がつくシーンを想像するだけで、とても美しいシーンが想像出来ますが、実はこの言葉は一言で終わりではなく、市来政直に贈った言葉の一文だけです。
全文は、
一貫唯唯諾
従来鉄石肝
貧居生傑士
勲業顕多難
耐雪梅花麗
経霜楓葉丹
如能識天意
豈敢自謀安
引き受けた事、心に誓った事は、貫き通しやりきる事。
鉄や石のように硬い意思は、いつまでも変えない事。
豪傑な武士は、貧しい暮らしをしていた人から生まれ、評価されるのは、多くの困難を乗り越えてこそ、得られるものです。
梅の花は雪の時期は耐えて、麗しき花を咲かせ、楓の葉は、霜に経て紅葉となります。
これらの天意を理解できれば、安楽な生き方を自分から選ぶ事はないでしょう。
というのが、全文の意味になります。
西郷隆盛の名言や格言!味わい深い言葉から意味と想いを受け取りましょう まとめ
西郷隆盛の性格や生涯のプロフィール年表、座右の銘にはじまり、西郷隆盛の数々の名言や格言を紹介してきました。
漢詩や旧語を使っていて、ところどころ分かりにくい用語もありますが、現代に通じるヒントはたくさん詰まっていると感じました。
仕事にも、家庭にも使える、これらのヒントをしっかりと心に留めて、西郷隆盛が築いてくれた日本の礎に感謝し、さらに日本発展へ貢献していきましょう。