飲食店のクレーム対応|初動で信頼を失わない聞き方と再発防止

飲食店 クレーム対応

飲食店を経営していると、クレームは避けて通れません。店頭でのやり取りだけでなく、電話や予約の場面でも、最初にかける一言でお客様の受け止め方が変わります。

私はパン屋を2店舗運営していて、日々の接客の中でクレームに近い場面に立ち会うことがあります。

飲食店のクレーム対応で結果を分けるのは、話し方のうまさではなく、最初に話をさえぎらずに聞けるかどうかです。

この記事では、店頭・電話・予約という場面ごとの初動の違い、基本の手順、そして記録して再発防止につなげる運用まで、実店舗を運営する立場から書きます。

飲食店のクレーム対応は、最初の聞き方で流れの半分が決まる

飲食店 クレーム対応

クレームを受けたとき、多くの人がまずやってしまうのが、説明や言い訳を挟むことです。

お客様がまだ話している途中で「それは〇〇のためでして」と割り込むと、話をさえぎられたと感じた時点で、お客様の不満はクレームの内容そのものより大きくなります。

飲食店のクレーム対応でまず求められるのは、説明ではなく、最後まで聞く姿勢だと考えています。

私の店でも、スタッフには「まず最後まで聞く」ことを繰り返し伝えています。料理の内容や接客の是非を判断するのは、話を聞き終えてからで十分です。

聞いている途中で正しいかどうかを判断しようとすると、表情や相槌に迷いが出て、お客様には話を軽く扱われていると伝わってしまいます。

飲食店のクレーム対応は、最初の聞き方で流れの半分が決まると感じています。

相手の言葉をそのまま繰り返すのが、私が意識している聞き方のコツです。

「提供が遅かったのですね」「冷めていたということですね」と事実を繰り返すだけで、お客様は伝わったと感じます。

反論も謝罪もまだしていない段階でも、聞き方ひとつで場の温度が下がることを、現場で何度も感じてきました。

飲食店のクレーム対応は、店頭・電話・予約で最初の一言が変わる

飲食店 クレーム対応 最初の一言

飲食店のクレーム対応というと、店頭での対面のやり取りを思い浮かべる人が多いと思います。

ただ、実際には電話や予約の場面でもクレームは起きます。私の店では、来店中のクレームだけでなく、予約の電話や、来店後にかかってくる問い合わせの電話でも、対応の初動を変える必要があると感じています。

店頭では、お客様の表情や声のトーンが見えるので、謝罪の言葉に合わせて表情や姿勢も一緒に伝えられます。

一方、電話では声だけが手がかりになるため、言葉の間や相槌の頻度をいつもより意識しないと、冷たい印象を与えてしまいます。

電話口では「はい」「そうでしたか」という相槌を、対面のときよりも多めに入れるようにしています。

予約の場面でのクレームは、来店前の期待とのズレから起きることが多いと感じています。

予約時に伝えた内容と、当日の案内が食い違っていた場合は、まず食い違いが起きたこと自体を認めて謝罪し、そのうえでどちらの伝達に齟齬があったのかを、お客様を責める言い方にならないよう確認しています。

場面によって最初の一言を変えることが、飲食店のクレーム対応の初動を左右すると考えています。

電話でのクレームは、来店中のクレームよりも後から連絡が入る分、お客様の中で不満が固まった状態で話が始まることが多いとも感じています。

店頭であればその場で表情を見ながら軽い謝罪から入れますが、電話ではまず名乗り、落ち着いた声で最後まで聞く姿勢を示すことを先に伝えるようにしています。

場面が変わっても、聞く姿勢そのものは変えないという軸は崩さないようにしています。

飲食店のクレーム対応の基本手順は、謝罪→傾聴→事実確認→解決策提示の順番

飲食店 クレーム対応 順番

飲食店のクレーム対応には、ある程度共通した手順があります。

私の店で意識しているのは、謝罪→傾聴→事実確認→解決策の提示→お礼、という順番です。最初の謝罪は、内容の正否を認めるものではなく、不快な思いをさせたこと自体に対するものだと切り分けています。

謝罪の次に、お客様の話を最後まで聞き、そのうえで何が起きたのかを事実として確認します。

厨房やホールのスタッフに確認が必要な場合は、「今、確認してまいります」と伝えてから席を離れるようにしています。

確認をせずにその場で判断すると、後から事実と違う説明をしてしまうことがあり、かえって信頼を損ねます。

事実確認ができたら、解決策を提示します。作り直し、返金、次回利用できる案内など、店として用意できる選択肢をお客様に伝え、お客様に選んでもらう形にしています。

最後に、伝えてくれたことへのお礼を一言添えると、クレームで終わらず、次の来店につながる会話で締めくくれることが多いです。

飲食店のクレーム対応でこじらせるのは、話を遮ることとその場の言い訳

飲食店 クレーム対応 言い訳

飲食店のクレーム対応でやってはいけないことは、基本手順よりも先に覚えておく必要があると感じています。

一番多いのが、お客様がまだ話している途中で、理由や事情を説明してしまうことです。

理由を伝えること自体は問題ではありませんが、聞き終える前に挟むと、言い訳に聞こえてしまいます。

もう一つ避けたいのが、スタッフ同士で責任を押し付け合うような発言です。

「担当が違うので」「私は聞いていません」といった言葉は、お客様からすると店全体の姿勢に見えます。

誰が対応していても、店としての回答を伝えるという意識をスタッフ間で共有しておく必要があると考えています。

曖昧な返答も、クレームを長引かせる原因になります。「検討します」とだけ伝えて具体的な期限や方法を示さないと、お客様は放置されたと感じます。

その場で答えられないことは、いつまでに、誰が、どう連絡するのかを具体的に伝えるようにしています。

飲食店のクレーム対応は、記録に残してこそ再発防止につながる

飲食店 クレーム対応 再発防止

クレーム対応がその場で終わってしまうと、同じ内容が繰り返し起きても気づけません。

私は普段から、売上や客数、天候といった数字を週次で記録して振り返る習慣を続けていますが、クレームについても同じように、記録して見返す運用に乗せる必要があると考えています。

日々の記録の続け方は飲食店の日報は何を書く?続く項目に絞れば、翌日の行動が変わるにも書きました。

記録する項目は、日時、対応した場面(店頭・電話・予約のいずれか)、内容、対応結果の4つで十分だと考えています。

細かく書こうとすると続かないため、まずはこの4つを埋めることを優先しています。

記録を溜めていくと、特定の時間帯や特定のメニューに関するクレームが重なっていることに気づける場合があります。

私の店で実際にクレームの記録から見えてきた具体的な傾向や件数については、記録の整理が途中のため、ここでは書ききれません。

ただ、数字を毎週見る習慣がある店ほど、クレームの記録も同じ感覚で続けやすいというのが、これまでの実感です。

記録を、責めるための資料ではなく、次の接客をよくするための材料として使うようにしています。

飲食店のクレーム対応は、スタッフ一人に背負わせない共有体制でこそ強くなる

飲食店 クレーム対応 共有

クレーム対応を、その場にいたスタッフ一人の責任にしてしまうと、対応した本人が疲れてしまい、次第に接客そのものに自信を持てなくなります。

以前、店を閉めようかと考えるほど追い詰められた時期がありましたが、そのときに踏ん張れた一番の理由は、数字でも戦略でもなく、支えてくれるスタッフがいたことでした。

この経験から、クレームのような負担の大きい場面ほど、一人に抱えさせない体制が必要だと考えるようになりました。

対応した後は、記録を店長やほかのスタッフと毎回共有し、次に同じ場面が来たときは対応を代わってもらえる状態を作っています。

人の配置や役割分担の考え方は飲食店のシフトの組み方|人時生産性を基準にした手順にも通じるところがあります。

飲食店のクレーム対応は、対応した人の話し方の問題として片づけられがちですが、実際には店全体の共有体制の問題であることが多いと感じています。

誰が対応しても同じ基準で答えられるようにしておくことが、結果としてスタッフを守ることにもつながっています。

共有のタイミングは、特別な場を設けなくても、日々の数字を確認するのと同じ流れに乗せれば十分だと考えています。

私の店では売上や客数を週次で見返す習慣がすでにあるので、その延長でクレームの記録も一緒に確認するようにしています。

新しい仕組みを別に作るより、すでにある習慣に乗せるほうが、結局は続きやすいと感じています。

飲食店の悪質なクレームは、カスハラとの線引きを対応の前に決めておく

飲食店 クレーム対応 カスハラ

クレームの中には、正当な指摘とは言えない、いわゆるカスタマーハラスメントに近いものも含まれます。

長時間の拘束、大声での威圧、金銭や過度なサービスの要求などがあった場合は、通常のクレーム対応の手順とは分けて考える必要があります。

私の店では、暴言や威圧的な態度が続く場合は、一人のスタッフで抱え込まず、店長など責任者が対応を引き継ぐという基準だけは決めています。

線引きを事前に決めておかないと、現場のスタッフが「ここまで我慢すべきか」を毎回自分で判断することになり、負担が大きくなります。

来店後にGoogleの口コミで厳しい評価がついた場合の返信の考え方は、Google口コミ返信の例文|高評価・低評価別テンプレに書きました。

口コミへの返信とクレーム対応は似ているようで、初動を求められる速さが違うと感じています。

すべてのクレームに同じ丁寧さで向き合う必要はないというのが、私の考えです。

正当な指摘には真摯に向き合い、明らかに行き過ぎた要求には店として毅然と線を引く。

その判断をスタッフ個人に任せず、店の基準として先に決めておくことが、飲食店のクレーム対応を続けていくうえで欠かせないと感じています。

まとめ|飲食店のクレーム対応は、聞く・謝る・記録する・共有するの繰り返し

飲食店のクレーム対応で大事なのは、話し方の技術よりも、

  1. 最後まで話を聞くこと
  2. 場面に応じて初動を変えること
  3. 謝罪→傾聴→事実確認→解決策提示の順番を守ること
  4. そして記録して店全体で共有すること

でした。

どれも特別なスキルではなく、順番と仕組みの話だと考えています。

今日から着手できる形にすると、次のようになります。

  • 店頭・電話・予約の3場面ごとに、最初にかける一言を決めておく
  • 謝罪→傾聴→事実確認→解決策の提示→お礼、の順番をスタッフ間で共有する
  • クレームの記録用紙を、日時・場面・内容・対応結果の4項目で作る
  • 対応後は記録を毎回共有し、一人のスタッフに抱えさせない
  • 悪質なクレームは責任者に引き継ぐ基準を先に決めておく

全部を一度に整える必要はありません。

まずは記録用紙を4項目だけで作るところから始めれば、次に同じ場面が来たときの対応が変わってきます。

飲食店のクレーム対応は、なくすものではなく、店の信頼を積み重ねる機会として付き合っていくものだと考えています。